安全で使い勝手のいい収納術などを競う「防災備蓄収納自慢 BJー1グランプリ2025」が2025年9月23日、オンラインで開催されました。主催したのは、「防災備蓄収納プランナー協会」(長柴美恵代表理事)。応募のあった12人のうち審査を通過したファイナリスト5人が、自宅の収納棚などの写真を見せながら、工夫した点やこだわりなどを発表しました。グランプリには、防災備蓄収納1級プランナーの呉田清美さん(神奈川県大和市)が選ばれました。
「防災備蓄収納自慢 BJー1グランプリ2025」のファイナリストと審査員ら。画面を通じて災害を想定した収納について詳しく発信しました
神奈川県の呉田清美さんがグランプリに!
コンテストでは、ファイナリストたちが、それぞれ作成したA4用紙1枚のプレゼン資料を示しながら、各自10分の持ち時間を利用して、災害時にも使いやすい収納の工夫について発表。備蓄食や防災用品の収納を通じて、家族の防災に対する意識の変化などについても紹介しました。
発表後、長柴美恵代表理事ら4人の審査員と、一般観覧者による投票が行われ、最高得点を得た呉田さんが1位となりました。
呉田さんは2011年、仙台市内に住んでいて東日本大震災に見舞われました。電気やガスなどのライフラインが絶たれ、不便な生活を強いられた経験から、自宅キッチンのコンロの下の引き出しにIHコンロとカセットコンロの両方を備えるようになったといいます。「電気は3日ほどで復旧しましたが、ガスが使えるようになったのは1か月後。停電時はカセットコンロを使い、電気が使えるようになったらIHコンロを使えるよう、備えています」。コンロの下にコンロを収納することで、家族にも置き場所がわかりやすく、災害時も安全に取り出せる点などが高く評価されました。
呉田さんの自宅の様子。収納のポイントなどをA4用紙1枚にまとめ、プレゼンしました
また、ローリングストックをしているペットボトル飲料の賞味期限管理や、寝室に配置した防災用品の収納法などにも工夫が光り、高得点を得ました。
災害時を想定した収納で家族を守る
ほかのファイナリストからは、窓がなく、安全性の高い押し入れ下段をメインの防災用品収納場所として活用し、小さな子どももどこに何が入っているのかが分かるよう、食品ラベルをひらがなで書くアイデアなどが披露されました。
どのファイナリストも「家族にわかりやすい」収納を目指しており、収納を通じて家族みんなの防災力アップを図ろうと努める様子がうかがえました。
長柴さんは、「BJー1グランプリを通じて、防災用品を安全に収納する技術や考え方を広く発信できたらうれしい。美しく収納されているように見えても、大きな地震がきたらモノが落ちてきて危なそうだな、と思うケースはよくある。災害時にさっと必要なモノが取り出せることが防災用品の収納には欠かせません」と力を込めます。
2016年に誕生した同協会は、来年創設10年の節目を迎えます。「もっと参加者を増やし、大きなイベントに成長させていけたら」と長柴さんは抱負を語っていました。
<防災ニッポン編集長 板東玲子>
