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「大動脈弁硬化症」に“なりやすい人”とは?閉経後の「女性」も要注意

「大動脈弁硬化症」に“なりやすい人”とは?閉経後の「女性」も要注意

大動脈弁硬化症の段階では、多くの方に自覚症状がありません。そのため、検査の数値と実際の体感との間に大きなギャップが生じやすい疾患です。血圧やコレステロール値、血糖値を適切に管理することが、将来の治療に備えた心臓全体のコンディション維持につながります。数値管理の目的と意義について解説します。

本多 洋介

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

大動脈弁硬化症になりやすい人の特徴:リスク因子の整理

大動脈弁硬化症には、特定のリスク因子を持つ方が発症しやすい傾向があります。このセクションでは、なりやすい方の特徴を、個人的な要因と身体的な要因に分けて整理します。

年齢・性別・遺伝的背景によるリスク

大動脈弁硬化症のリスク因子として、年齢は非常に重要な要素です。65歳以上の方では発症率が高まり、加齢とともに石灰化が進行しやすいことが知られています。一方で、若い年齢でも先天的な弁の異常(二尖弁など)がある場合は、早い段階で石灰化が始まることがあります。

性別については、男性のほうが大動脈弁硬化症になりやすいとされています。ただし、女性でも閉経後にエストロゲン(女性ホルモン)の低下によって動脈硬化が進みやすくなるため、高齢の女性でも決して無関係ではありません。特に閉経後の女性では、生活習慣の見直しと定期検査が大切です。

遺伝的な素因として、家族に心臓弁膜症や動脈硬化性疾患(心筋梗塞、狭心症など)の方がいる場合は、リスクが高まる可能性があります。先天性二尖弁は100人に1〜2人程度の頻度で見られる先天性心疾患であり、その場合は通常よりも若い年齢から大動脈弁の管理が必要です。親族にそのような疾患歴がある方は、若いうちから循環器内科での定期的な確認を検討されることが望ましいです。

生活習慣・基礎疾患によるリスク

生活習慣に起因するリスク因子は、大動脈弁硬化症の発症に深く関わっています。以下のような状態にある方は特に注意が必要です。

高血圧のある方は、長期間にわたって弁への圧力が高まるため、石灰化が進行しやすくなります。定期的な血圧測定と管理が求められます。

脂質異常症(高LDLコレステロール・高トリグリセリドなど)がある方は、弁への脂質沈着と炎症が起こりやすく、大動脈弁硬化症のリスクが高まります。

糖尿病がある方は、血糖コントロールの乱れが弁組織の劣化を早め、動脈硬化の進行にも拍車をかけます。

喫煙習慣がある方は、禁煙によってリスクを下げられる可能性があるため、早期の禁煙が推奨されます。

肥満(BMI25以上の方)は、高血圧・脂質異常症・糖尿病を合併しやすく、複数のリスクが重なる状態になります。

慢性腎臓病がある方は、カルシウム・リンのバランスが乱れやすく、異所性石灰化のリスクが高まります。腎臓の管理と併せて心臓の経過観察も重要です。

これらのリスク因子が複数重なっている方ほど、大動脈弁硬化症の発症リスクが高まると考えられています。気になる症状や検査結果がある方は、早めに循環器内科を受診されることをおすすめします。

まとめ

大動脈弁硬化症は加齢や動脈硬化、生活習慣病などを背景に、心臓の弁に石灰化が進む状態です。自覚症状が現れにくい段階から進行することが多いため、定期的な心エコー検査による経過観察が重要な意味を持ちます。最大血流速度などの基準値を把握して定期的な検査を受けるとともに、血圧・脂質・血糖を適切に管理して全身の血管の健康を保つことが、将来を見据えた大切な備えとなります。気になる症状や検査結果がある方は、ぜひ循環器内科への受診をご検討ください。

参考文献

日本循環器学会「弁膜症治療のガイドライン(2020年改訂版)」

国立循環器病研究センター「大動脈弁狭窄症について」 国立循環器病研究センター「心エコー検査とは」
配信元: Medical DOC

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