これは5歳の息子を持つ友人と、4歳の三女と私で公園に行ったときの話です。友人が息子くんと公園でおやつを食べていると、見知らぬ男の子が「お菓子ちょうだい」と近づいてきました。アレルギーを懸念して断るも、男の子はお菓子を奪って逃走してしまいます。すると、スマホに夢中だったその子の母親が詰め寄ってきて……。
逆ギレする母親
私たちは遊具で遊んだあと、私が持ってきたお菓子や友人の手作りクッキーを広げ、おやつタイムにしました。すると、3歳くらいの知らない男の子が「僕もおやつほしいな」と近づいて来たのです。
アレルギーが心配なため、食べさせてあげたい気持ちを抑えて私は「ごめんね。勝手に食べさせてあげられないよ、ママは?」と伝えると、その子は「イヤ!」と叫びます。そして、無理やり個包装のお菓子をつかんで逃げてしまいました。
離れた場所でスマホに夢中だった母親にお菓子を見せながら「あのおばちゃんイヤ~」と私を指さして泣き出した男の子。それを見た母親が「うちの子を泣かせたのはあなたですか? それにうちは無添加の物しか食べないように毎日言い聞かせてるの。この子もわかってくれてるのに、勝手にお菓子を与えないでください!」と詰め寄って来たのです。
私はたまらず「アレルギーの心配があるのでお断りしましたが、お子さんが取って逃げてしまったんです」と事情を説明しました。しかしその母親は「うちの子が盗むわけないじゃない! うちはしつけも厳しくしてますから。勝手に疑うなんて失礼しちゃう!」と怒った様子です。ところが母親がそう激昂した瞬間、少し離れたところから「あ!」という声が聞こえました。
振り向くと、男の子が別の家族のバスケットからお菓子をつかみ取り、勝手に開けて口に入れようとしているところでした。「ちょっとぼく、お母さんはどこ!? それ、うちの娘が楽しみにしていた限定品なのよ!?」と声を上げた女性を見て、男の子の母親は「えっ!?」と言うと一気に焦った顔になりました。「部長!! 申し訳ありません」と謝る母親。なんと男の子がお菓子を盗んだ相手は、母親が勤める会社の上司のようでした。
部長と呼ばれたその女性は「えっ、〇〇さん!?」と目を見開きます。そして直後に深くため息をつくと、「スマホに夢中で子どもを見ていない親がいるな、とさっきから思ってたけど、あなただったなんて……。会社では真面目に仕事をしているから信頼していたけれど、がっかりしたわ。お子さん、あちらの方(私たち)にも迷惑をかけていたわよね? 娘の大切なお菓子を奪われたのもそうだけど、親が目を離して、他人に迷惑をかけている現実に気づいてないのはもっと残念ね」と言い放ちました。母親は「しつけが厳しい」という自負はどこへ行ったのか、顔を引きつらせながら「ご、ごめんなさい……」と平謝り。すっかり意気消沈した様子で私のところへ戻ると「迷惑をかけてすみませんでした」と言い、男の子を連れて足早に去っていきました。
子どもを信じる心は大切なものですが、過信は禁物だと私は思います。「厳しいしつけ」がどんなものだったかはわかりませんが、スマホに夢中になりわが子から目を離していては、その「厳しさ」も説得力に欠けるなと感じました。「わが子が犯人のはずがない」と感じても、冷静に事実を見極め、わが子の間違った行動を見落とさないようにすることの大切さを実感した出来事でした。
著者:丘エリ/30代・自営業。4歳・7歳・10歳の元気な3姉妹を育てる母。夫婦共働きで家事シェアを進めるも結局ワンオペになることがしばしば。推しのアイドルを日々の癒しとしている。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)

