社会的対話のきっかけに
今回の議論は、単なる一過性の話題を超え、日本社会の「性産業の表層化」と「公衆道徳の低下」を象徴的に示すものとなりつつあります。賛成派の圧倒的な共感は、多くの国民がこうした公的な場での性産業の宣伝に違和感を抱いていることを示しています。
以前から、「パパ活トラック」のように、性的な要素を持つが、風営法が厳しく規制する性風俗特殊営業(デリヘル、ソープランドなど)の広告ではない、グレーゾーンの広告宣伝車が問題となっています。しかし、「パパ活トラック」を直接的に規制する法律や条例は、現時点では明確に存在しません。複数の既存の法律や条例に基づき、間接的な規制は適用されていますが、まだまだ抜け穴が多いのが現状です。
渋谷区では過去に「爆走公道カート」の規制条例が施行されたように、世論の大きな批判が集まった問題に対し、公道の安全性や美観、青少年の健全育成などを理由に、より踏み込んだ広告物・宣伝行為に関する条例を制定・改正する動きが加速する可能性があるかもしれません。
今回のXでの物議が、日本の公衆道徳と性産業の表層化という問題に一石を投じる形となるか……。世論の高まりが自治体のさらなる厳しい条例制定を促すかどうかが焦点となるでしょう。
(LASISA編集部、足立むさし)

