ふわふわする…?「不整脈」によるめまいを見分ける“3つのチェックポイント”

ふわふわする…?「不整脈」によるめまいを見分ける“3つのチェックポイント”

「めまいがする」という症状には、心臓由来のものと耳・神経由来のものがあり、原因の判別が難しい場合があります。完全房室ブロックに伴うめまいは、脳への血流が一時的に低下することで生じる「非回転性めまい」が中心です。このセクションでは、回転性めまいとの違いや、症状から完全房室ブロックを疑うきっかけとなるポイントについて解説します。

本多 洋介

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

完全房室ブロックと回転性めまいの関係

完全房室ブロックの症状の一つとして、めまいが挙げられることがあります。特に「回転性めまい」と完全房室ブロックとの関係については、混同されやすい部分があるため、このセクションで詳しく説明します。

完全房室ブロックによるめまいの特徴

完全房室ブロックに伴うめまいは、主に脳への血流が一時的に低下することで生じます。心拍数が急激に低下した際や、心室が一瞬停止した際に脳が「虚血(きょけつ)」状態になることで、めまいとして感じられます。このタイプのめまいは「非回転性めまい」、あるいは「立ちくらみ(presyncope:前失神)」と表現されることが多く、「ふわふわする」「頭が軽くなる」「目の前が暗くなる」といった感覚が特徴です。
一方、「回転性めまい」は、自分の身体や周囲がぐるぐると回転しているように感じるめまいで、耳の内部(内耳)の異常によるものが典型的です。良性発作性頭位めまい症(BPPV)やメニエール病などがよく知られています。完全房室ブロックが直接的に「回転性めまい」を引き起こすという報告は少ないものの、心臓由来のめまいと耳由来のめまいは症状が似ている場合があり、原因の判別が難しいことがあります。
実際の診療では、「めまいがする」という主訴に対して、心臓由来の原因(不整脈・低血圧など)と耳・神経由来の原因(内耳疾患・小脳疾患など)を区別するための評価が必要です。特に、心疾患の既往がある方や徐脈が疑われる方のめまいには、心電図検査を行うことが求められます。

めまいを主訴にした場合の鑑別と対応

めまいを主訴として医療機関を受診する場合、完全房室ブロックを疑うきっかけになる所見があります。たとえば、「立ち上がったときや運動したときにめまいが起きる」「めまいと同時に失神しそうになる」「めまいの後に胸の不快感や息苦しさがある」といった状況では、心臓由来のめまいの可能性を考える必要があります。
こうした場合、まず脈拍数を確認することが大切です。1分間に50回以下の徐脈が見られる場合や、脈が不規則に感じられる場合は、早急に心電図検査を受けることが望まれます。通常の12誘導心電図で完全房室ブロックのパターン(P波とQRS波の解離)が確認できれば、診断の手がかりになります。
また、めまいが断続的に起きる場合は、24時間ホルター心電図が有効です。日常生活のなかで一時的に生じる完全房室ブロックを記録することができるため、症状と心電図の変化を対応させながら評価することができます。めまいの原因が心臓にあるかどうかを見極めることで、適切な診療科(循環器内科や耳鼻咽喉科など)への橋渡しが可能になります。

まとめ

完全房室ブロックは、心臓の電気信号が心室に伝わらなくなることで、徐脈・倦怠感・失神・めまいといったさまざまな症状を引き起こす不整脈です。前兆となる脈の乱れや前失神の段階で気づくことができれば、早期の介入につながります。症状が気になる方は、循環器内科での心電図検査を早めに受けることが大切です。ペースメーカー治療によって多くの方が症状の改善と生活の質の向上を実感しており、適切な治療と定期的なフォローアップが心臓の健康を守ります。

参考文献

日本循環器学会「不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)」

国立循環器病研究センター「不整脈」

配信元: Medical DOC

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