
岡山天音と森七菜が、7月8日に都内で行われた「第52回放送文化基金賞」贈呈式に登壇。受賞の喜びや本作への思いなどを明かした。
■「ひらやすみ」がドラマ部門「最優秀賞」を、岡山天音と森七菜が「演技賞」を受賞
「放送文化基金賞」は、過去1年間(2025年4月~2026年3月)の放送・配信された中から選ばれた、優れた番組・コンテンツや個人、グループに贈られる賞。
今回は、全国の民放、NHK、動画配信会社などから、全部で317件の応募、推薦があり、4月から約2か月にわたる厳正な審査の結果、ドキュメンタリー、ドラマ、エンターテインメント、ラジオの4つの部門で、それぞれ最優秀賞、優秀賞、奨励賞の16作品と、演技賞や企画・制作賞など個人7件、放送文化、放送技術部門で8件、さらに特別賞1件の受賞が決定した。
「ドラマ部門」の最優秀賞に、NHKエンタープライズ/NHKの「夜ドラ ひらやすみ」が選ばれ、岡山と森が「演技賞」を受賞。同ドラマ出演の吉村界人、光嶌なづな、根岸季衣もゲストとして登壇した。
真造圭伍氏の同名マンガを原作にした本作は、定職なし、恋人なしの29歳フリーター・生田ヒロト(岡山)と、18歳のいとこ・小林なつみ(森)が、東京・阿佐ヶ谷の平屋で共同生活する様子を描いた物語。
ある日ヒロトは、人柄の良さだけで仲良くなった近所のおばあちゃん・和田はなえ(根岸)から一戸建ての平屋を譲り受ける。そんな中、春から東京の美大に通うなつみが山形から上京。ヒロトとなつみは、平屋で二人暮らしをスタートさせる。
すると、ヒロトの周りにはいつしか生きづらい“悩み”を抱えた人々が集まってくるように。吉村はヒロトの親友・野口ヒデキを、光嶌はなつみの美大の同級生・横山あかりを演じた。
■森七菜「非日常的な空間にチームの皆さんと来れたことが驚き」
森は「夏の中、平屋でみんなで切磋琢磨しながら作ってた作品だったので、こういうちょっと非日常的な空間にチームの皆さんと来れたことが、ちょっと驚きもあって、緊張もしてますけど、皆さんのご褒美を受け取っているドレスアップした姿を見て、とても嬉しく思います」と、正装で登壇した制作統括・坂部康二氏と熊野律時氏、プロデューサー・大塚安希氏たちを見て、笑顔で語った。
続けて、「私にも歴史ある賞をいただけて本当にうれしく思います。ありがとうございます」と「演技賞」受賞の喜びを口に。
そして、「今日の授賞式を見ていて、本当にいろんな作品が世界にあって、その分、いろんな歴史とか情勢もあって。でも、その中でこのような作品が輝き続けられる世界がずっと続くことを祈りながら、真面目にこれからもお芝居したいなって思いました。私をなつみに選んでくださったスタッフのみなさん、そしてヒロ兄、ありがとうございました」と、自身の思いと感謝の気持ちを伝えた。

■岡山天音「ヒロトが好きで、共感して、同時に憧れでもありました」
岡山は、「このようは栄誉ある賞を受賞させていただき、作品自体もそうですし、一緒に『ひらやすみ』の世界にいたなっちゃん役の森さんと、チームのみんなと受賞できたことを本当にうれしく思います」と「最優秀賞」と「演技賞」の受賞を喜んだ。
「ヒロトは、自分の中の自分の声に準じて生きているような人で、『これに価値がある』『これには価値がない』『この人が勝った』『この人が負けた』とか、そういうものとは違う、独自の美意識を持っています。そんなヒロトが好きで、共感して、同時に憧れでもありました。そんな役を任せていただけて、今日、このような日を迎えられたことをとってもうれしく思います」と、演じた“ヒロト”についての思いを伝えた。
そして、「ヒロトは、元々は俳優を志していた人で、競争社会に揉まれ、今は自分が本当に行きたい道を選んで生きている人物。僕はまだその俳優の世界にいて、ヒロトのように不安で心臓が押しつぶされてしまうような時間を過ごしたこともあります。
そんな不確かで心許ない日々を今日までつないできてくれたのは、自分の周りにいる友人や家族、現場でご一緒する皆さん、事務所の皆さんのおかげです。改めて、皆さんに感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました」と、改めて感謝した。


■光嶌なづな「去年撮影してから今までずっと心の中にある作品です」
吉村は「すみません。『演技賞』ではないんですけど、ちょっとだけあいさつさせてもらいます」と言って、「僕はこの作品を通して、世の中にはいろんな作品があって、エレガントな作品もかっこいいんですけど、地道に紡いでいく作品も豊かなのかなって感じました。天音くん、森さん、おめでとうございます」と二人の受賞を祝福。
光嶌は「『ひらやすみ』は、去年撮影してから今までずっと心の中にある作品です。ふと落ち込んだときに、ヒロ兄の『大丈夫だよ』という声が聞こえてきたり、なっちゃんの『あかりん!』という声が聞こえるような気がして、ずっと自分の心の支えになっています。あの平屋で撮影していた皆さんとこの場で再会できたことが本当にうれしいです」と、思いのこもった言葉で受賞を祝した。

■根岸季衣「本当に幸せな老後を過ごさせていただきました(笑)」
根岸は「放送後にいろいろな人から『終わっちゃったねえ』『ひらやすみロスです』と言われて、すごく愛された作品だったのだなあと思いました」と周囲の反響を伝え、「SNSで『“ふぞろいの林檎たち”では姑さんとそりが合わず苦労してたのに、老後が幸せでよかった』というコメントもありました。本当に幸せな老後を過ごさせていただきました(笑)」と、会場の雰囲気を和ませた。
最後は岡山が代表して、「多くの方に『ひらやすみ』という世界が届いたことを本当にうれしく思います。この作品に触れた方が、何を自分は幸福と感じるのか、そういう“自分の声”に気づけるきっかけになれば、と思います。『ひらやすみ』を見てくださって、愛してくださって本当にありがとうございます」というメッセージで締めくくった。
◆取材・文=田中隆信


