
元MOMOLANDメンバーで近年は俳優として存在感を見せるヨンウ、そして189cmの長身とチャーミングな笑顔が魅力の新進俳優キム・ヒョンジンがW主演を務めるドラマ「ラブフォビア~愛に臆病なあなたへ~」が、7月14日(火)からCS放送「衛星劇場」で日本初放送される。注目のキャスト陣に加え、AI時代ならではの視点で“人が恋愛する理由”を丁寧に描いたストーリーで韓国でも話題を集めた同作の見どころに迫る。
■心を開けない経営者と次回作が書けない作家の出会い
「ラブフォビア~愛に臆病なあなたへ~」は、心にトラウマを抱えた女性経営者・ビア(ヨンウ)と、次回作が書けず自信を失った男性作家・ソンホ(キム・ヒョンジン)のめぐり逢いと成長を描いた、ハートフルなラブストーリー。
パンデミックを経て恋愛やコミュニケーションのかたちが大きく変わった現代。人々は傷つくことを恐れ、決して傷つくことのない“AI恋愛アプリ”が支持を集める時代となった。そんな時代に最新AI恋愛アプリ“フォーミー2”の開発に奔走するのは、アプリ開発会社It’s YOU(イッツユー)の共同代表・ビア。彼女は、子どもの頃の出来事をきっかけに“他人と1時間以上同じ空間にいられない”というトラウマを抱えていた。その秘密を知るのは、ともに共同代表を務める親友・ジェヒ(チョ・ユンソ)だけだ。
一方、AIとの傷つかない恋愛に反発するのは、リアルな恋愛の強さを信じたい小説家・ソンホ。だが彼もまた、次回作が書けないという苦悩を抱えていた。ビアはソンホといる時だけは1時間が過ぎても平気だと気づき、ソンホはビアが“AIとの安定した恋愛”を求める本当の理由を知る。そんな中、出会ったばかりのはずだった2人が実は特別な縁で結ばれていることが明らかになっていく――。
■効率化が進む中、なぜ人は“恋愛”するのか
韓国でも、“AI時代ならではのロマンス”と注目を集めた本作。AIによる効率化が急激に進む中、愛という“最も不確実で計算不能な感情”が消えずに残り続けているのはなぜなのか…そんな問いが、全8話のストーリーの根底に静かに流れている。

ロマンスだけでなく、ビアとソンホの成長も本作の見どころの一つだ。序盤で印象的なのは、ソンホが前の恋人と別れる場面。恋人が“AI彼氏”と甘い口調で電話する姿を目撃したソンホは、通話相手がAIだと知り、安心するどころか「人間のほうがまだましだ」「君は僕とぶつかるのが怖くて逃げたんだ」とさらに怒り出す。ソンホは、肯定的な発言ばかりするAIをもてはやす社会や、作品よりもビジュアルに群がる人々に嫌悪感をあらわにする。
一方ビアは、もろくて壊れやすい愛など信じない、いつも変わらずそこにいてくれるAIこそが人を癒やす存在であるべきという、ソンホとは真逆の考えの持ち主だ。そんな2人が、ぶつかり合いながらも互いに影響され、頑なだった考えを改めていく。
ロマンスでありながらミステリー並みに張り巡らされた伏線も、本作ならではの見どころだ。ビアの“人と1時間以上いられない”というトラウマ、その発端となった母・ソネ(イム・ジウン)の交通事故、ソネが肌身離さず持っていた一冊の小説、そしてビアの親友・ジェヒの不可解な行動…。いくつもの伏線がクライマックスで一つに絡み合い、“隠された縁”として一気に回収される構成はお見事。韓国では、“結末を知ってからもう一度一気見したい作品”と話題を呼んだ。

■思わずキスして「つい…」ロマンスにも注目
安定した演技力とフレッシュな魅力を持つ俳優陣が、そんな本作を引っ張っていく。
ビアを演じるのは、ガールズグループ・MOMOLAND出身のヨンウ。2019年頃からは俳優としての活動に力を入れ、「ダリとカムジャタン~真逆なフタリ~」(2021年)の野心あふれる美人ギャラリスト・チャクヒや「我が家 ~嘘のかけら~」(2024年)の魔性の女性セナ、「犬の声」(2024年)の新人警察官チョウォンなど、存在感ある演技を披露してきた実力派だ。
今作「ラブフォビア~愛に臆病なあなたへ~」では、父の死と母の交通事故を同時に経験したトラウマから恋愛どころか他人と長時間向き合うことすらできなくなったビアの孤独と成長、そして恋心を、丁寧に演じている。ソンホに心を許し始めた中盤、ビアが「いつかはいなくなるくせに」と寂しそうにつぶやく一言が、彼女の孤独の根の深さを物語る。
一方、ソンホ役のキム・ヒョンジンは2015年ソウルファッションウィークでモデルデビュー。2020年公開のウェブドラマ「時間も配達できますか」で俳優デビューを果たした。 主人公に積極的に想いを伝える年下モデル役が好評だった「PENG(ペン)」(2021年)、恋愛経験豊かなプレイボーイを演じた「チアアップ」(2022年)、ヒロインを支える姿が注目を集めた「アイドルアイ」(2025年)などを経て人気に。189cmの長身と、とろけるようなスマイルが魅力のネクストブレイク筆頭株だ。
ソンホは、作家なのにアイドル的扱いされることにモヤモヤし引退宣言してしまうというちょっぴり頑固なキャラクター。そんな彼がビアと出会い、ビアの母ソネとの縁にも支えられて精神的に成長していく姿をヒョンジンが好演。思わずビアにキスしてしまい、「つい…」とうろたえる姿もチャーミングだ。

AI時代に人と向き合うことの意味を思わずにいられないドラマ「ラブフォビア~愛に臆病なあなたへ~」。リアルな人間関係が希薄になりかけている現代だからこそじっくり味わいたい良作だ。
◆文=酒寄美智子

