「肝吸虫症」を発症した人に起こる症状をご存じですか?【医師監修】

「肝吸虫症」を発症した人に起こる症状をご存じですか?【医師監修】

大坂 貴史

監修医師:
大坂 貴史(医師)

京都府立医科大学卒業。京都府立医科大学大学院医学研究科修了。現在は綾部市立病院 内分泌・糖尿病内科部長、京都府立医科大学大学院医学研究科 内分泌・糖尿病・代謝内科学講座 客員講師を務める。医学博士。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医。

肝吸虫症の概要

肝吸虫症は、肝吸虫という寄生虫による病気です。人が淡水魚を生や十分に加熱しないで食べたときに体に入ることで起こる病気です。肝吸虫は胆管という、肝臓から腸へ胆汁を送る細い管に住みつきます。肝吸虫の数が少ないと感染しても症状がないこともありますが、肝吸虫の数が多いと発熱や腹痛、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などが出ることがあります。長い間寄生され続けると、肝硬変や胆管がんの原因にもなります。診断は、便の検査で肝吸虫の卵を確認することが基本です。治療は駆虫薬を使い、寄生虫を体から取り除きます。予防には、生の川魚を食べないことが最も大切です。特に東アジアや東南アジアの流行地に旅行で訪れる場合は必ずしっかりと加熱したものを食べるようにしましょう。

肝吸虫症の原因

肝吸虫が寄生した魚を食べると肝吸虫症になります。肝吸虫は人や犬、猫の胆管に寄生し、成虫は便とともに卵を外に出します。その卵が水辺に流されると巻貝に取り込まれ、幼虫へと成長します。この巻貝を魚が食べると、魚の筋肉に住みつきます。この状態の魚を人が食べると、体内に入り、胆管で成虫になります。このように、便 → 巻貝 → 魚 → 人というサイクルで感染が広がります。

肝吸虫は魚の中でもモツゴ、モロコ、フナ、ウグイ、コイなどの淡水魚に寄生します。十分に加熱されていないこれらの淡水魚を食べると感染する可能性があります。フナやウグイに比べてモツゴやモロコは特に感染率が高いと言われており、注意が必要です。

配信元: Medical DOC

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