「小細胞肺がん」に“なりやすい人”とは?発症を招く最大の原因

「小細胞肺がん」に“なりやすい人”とは?発症を招く最大の原因

小細胞肺がんは肺の気管支付近に発生し、細胞が小さく密集していることから名付けられたがんです。進行が速く、発見時にはすでにほかの臓器へ転移していることも少なくありません。また、非喫煙者に発症することはまれで、喫煙との関連がとても深いとされています。このセクションでは、小細胞肺がんの基本的な特徴と、喫煙がどのように発症に関わるのかをご紹介します。

松本 学

監修医師:
松本 学(きだ呼吸器・リハビリクリニック)

兵庫医科大学医学部卒業 。専門は呼吸器外科・内科・呼吸器リハビリテーション科。現在は「きだ呼吸器・リハビリクリニック」院長。日本外科学会専門医。日本医師会認定産業医。

小細胞肺がんと禁煙①:喫煙との深い関係

小細胞肺がんと喫煙の関係は、医療の現場では広く知られています。このセクションでは、喫煙が小細胞肺がんの発症にどのように関わっているのか、そのメカニズムを中心に解説します。

小細胞肺がんとはどのようながんか

小細胞肺がんは、肺の気管支付近に発生するがんの一種です。顕微鏡で見ると、がん細胞が小さく密集しているのが特徴で、この形状から「小細胞」という名前が付けられています。肺がん全体の中では、比較的少ない割合(およそ10~15%程度)を占めますが、進行速度が速く、発見時にはすでにほかの臓器へ転移していることも少なくありません。

小細胞肺がんには「限局型」と「進展型」という二つのステージがあります。限局型は、がんが片側の肺とその周辺のリンパ節に留まっている状態です。一方、進展型は、がんが反対側の肺や胸腔(きょうくう:胸の空間)の外側まで広がっている状態を指します。一般的に、発見時に進展型であるケースが多いとされており、これが小細胞肺がんの治療を難しくしている一因です。

喫煙が発症リスクを高めるしくみ

小細胞肺がんの発症において、喫煙は最も重要なリスク要因と考えられています。たばこの煙には、200種類以上の有害物質が含まれており、そのうちの数十種類は発がん性を持つとされています。こうした物質が気道(空気の通り道)の細胞のDNAを傷つけることで、細胞の正常な増殖や修復の仕組みに異常が生じ、正常な細胞ががん細胞へと変化するきっかけになります。喫煙による影響は一度だけではなく、長期間にわたって繰り返し蓄積されるため、喫煙歴が長いほど肺へのダメージも大きくなると考えられています。
特に小細胞肺がんは、ほかの肺がんの種類と比べて喫煙との関連がとても強いとされています。非喫煙者に発症することはまれであり、患者さんの多くが現在または過去に喫煙経験があります。また、喫煙本数が多いほど、長期間吸い続けているほど、発症リスクが高まると考えられています。さらに、喫煙によって慢性的な炎症が生じることで、がんが発生しやすい環境がつくられる可能性も指摘されています。そのため、たばこを吸う習慣がある方にとって、禁煙は発症リスクを下げるうえで重要な取り組みとなります。禁煙後すぐにリスクがゼロになるわけではありませんが、禁煙期間が長くなるほど肺がんの発症リスクは徐々に低下するとされています。
さらに、本人が喫煙していなくても、周囲の方のたばこの煙を吸い込む「受動喫煙」も、肺がんのリスクを上昇させる要因の一つとされています。受動喫煙による煙にも喫煙者が吸い込む煙と同様の有害物質や発がん性物質が含まれているため、長期間さらされることで健康への悪影響が生じる可能性があります。特に家庭や職場などで日常的にたばこの煙にさらされる環境では注意が必要です。小細胞肺がんの予防を考えるうえでは、自身の禁煙だけでなく、周囲の方が受動喫煙にさらされない環境づくりにも目を向けることが大切です。

まとめ

小細胞肺がんは進行が速く、治療が長期に及ぶこともある病気です。しかし、禁煙による発症リスクの低減・早期発見・適切な治療の選択・公的支援制度の活用など、患者さん自身が取り組める行動は数多くあります。「気になる症状がある」「診断を受けた直後で不安が大きい」という方は、まず呼吸器内科や腫瘍内科のある医療機関に相談されることをおすすめします。一人で悩まず、医療チームやサポート窓口を積極的に頼りながら、治療と生活を前向きに続けていただければと思います。

参考文献

厚生労働省「傷病手当金について」
国立がん研究センター がん情報サービス「小細胞肺がん」
国立がん研究センター がん情報サービス「肺がんの統計」
厚生労働省「健康・医療高額療養費制度を利用される皆さまへ」 国立がん研究センター がん情報サービス「がんと診断されたあなたに知ってほしいこと」
配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。