がんの種類別小児がんの治癒率

治癒率とは、治療によって病気が完全に治る割合のことです。小児がんの場合、長期生存できれば実質的に治癒したとみなせるため、5年生存率が治癒率の目安になります。現在、医療の進歩により小児がん全体の治癒率は70~80%に達しているといわれています。
がんの種類別に見ると、白血病やリンパ腫は治癒率が特に高く、化学療法や骨髄移植の発展によりほとんどの場合治すことができるようになりました。その他の多くの小児がんでも高い治癒率が達成されています。一方、神経芽腫の高リスク例や一部の脳腫瘍などは再発しやすく治療が難しいですが、決して治らないわけではありません。
小児がんが治癒した後の生活

小児がんを克服した後、お子さんは徐々に日常生活へ戻っていきます。治療後の長期経過観察が重要で、定期的に検査や診察を受けて経過を見守ります。小児がん治療の影響で、後になって現れる可能性のある症状を晩期合併症といいます。代表的な晩期合併症には成長発達への影響、臓器機能の障害や、続発腫瘍などがあります。ただし、全員に起こるわけではなく、治療内容や年齢によってリスクは異なります。
また、治癒後は体力の回復に合わせて、学校や家庭での生活を段階的に再開します。入院中に学校を長く休んでいた場合も、院内学級や在宅学習支援などで学業をサポートしてもらえます。主治医や学校と連携し、お子さんのペースで無理なく復学していきましょう。

