小児がんについてよくある質問
ここまで小児がんを紹介しました。ここでは「小児がん」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
小児がんの治療による合併症はありますか?
はい、あります。治療中および治療後には副作用や合併症が生じることがあります。特に治療終了後に現れる晩期合併症として、成長発達への影響や臓器機能の低下、二次がんなどが報告されています。これらの合併症は全員に起こるわけではなく、治療法の工夫や長期経過観察によって多くは対処可能です。
小児がん患者さんは成人してからがんになる確率が高くなりますか?
一般的に、やや高くなります。小児がんを経験した方は、治療の影響や体質により二次がんのリスクが一般の方より高いとされています。例えば、放射線治療を受けた部位に将来新たながん(甲状腺がんなど)が発生しやすくなり、一部の抗がん剤は白血病の発症リスクを高めます。とはいえ、二次がんのリスクが上がるといっても必ず発症するわけではありません。多くの小児がんサバイバーはその後に新たながんを発症せずに過ごしています。また、定期検査を受けることで、万一新たながんが見つかっても早期に対応が可能です。過度に心配しすぎず、主治医の指示するとおりの定期受診を続けていけば、大人になってからも安心して生活できるでしょう。
まとめ

小児がんは子どもや家族にとってつらい病気ですが、決して治らない病気ではありません。現在では約7~8割の患者さんが治癒し、お子さんは元気に成長できるようになっています。治療法の進歩で成績が向上し、医療チームも長期にわたりお子さんを支えてくれるでしょう。本記事では小児がんの治る確率に関して概論的な解説をしていますが、個々の治る確率は全身状態や病期などによって異なります。本記事を読むことで、前向きな考えにつながれば幸いです。
関連する病気
白血病
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脳腫瘍
神経芽腫
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関連する症状
発熱
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リンパ節腫脹
貧血
骨痛
発汗
参考文献
院内がん登録2011年10年生存率集計 公表|国立がん研究センター
小児がんの患者数(がん統計)|がん情報サービス
晩期合併症/長期フォローアップ|がん情報サービス

