
イタリアは医療制度が複雑で、皮膚科や耳鼻咽喉科などの専門の医師にかかる前に、まずはホームドクターの診断を仰ぐ必要があります。
肩のあたりに腫瘍のようなものができても、これは同じ。検査を繰り返し、良性とわかると手術の順番はなかなか回ってきません。
ようやく順番が回ってきて入院したのは、エレナ王妃国立がん研究所。入院後も、緊急性の高い患者に先を越されて、手術が延期されることもまれではありません。
1902年に創設された病院は、当時の王妃エレナが「自分の名前をつけるように」と指示したのだそうです。伝統と格式を継承し、ヨーロッパでも有数の研究機関のひとつでもあります。
病院内はまるで迷路ですが、緑色の洋服が目印のボランティアが多数いて、困ればすぐに助けてくれます。
病室の中は、海を愛するイタリア人を思ってか砂浜の絵で埋められていました。各病室には、灯台や季節ごとの海の絵が描かれているのだそうです。
海を再び目にする日まで頑張れ。そんなメッセージが伝わります。
キリスト教の国らしく、あちこちに十字架がかけられているのも印象的でした。

