夏野菜といえば、そうナスです。
そんなナスを最もおいしく食べる方法の1つは煮浸しじゃないでしょうか。
でも、素揚げは面倒。かといって火入れが微妙で固いのも。。。
そんな課題を解決する方法、お教えします。

どういう状態を目指して作る? 料理の前に「おいしい」を定義づけよう!
僕がレシピ開発をする際、必ず最初にしていることがあります。
それは、テーマになる料理の「おいしいの定義付け」です。
今回のテーマ「ナスの煮浸し」の「おいしい」を定義します。
①トロトロに柔らかい
②ジューシー
③油っこくない
④味が染み染み
おそらく、多くの方に納得いただける定義かと思います。
①②は、大きめに切ったナスの皮面に隠し包丁を入れることで、
③は、最小限の油で火入れすることで、
④は、皮にしっかり火入れをすることで、
解決できそうです。
ここまで明確になったら、次は調理の最適解に落とし込みます。
「ナスの煮浸し」の調理工程で肝になる3つのコツとは?
調理工程に落とし込む際に大切にしているのは、各工程の「部分最適」ではなく、料理として完成した時においしく仕上がるための「全体最適」の考え方です。
多くの人が再現可能な「良い塩梅」を踏まえて、おいしさの肝になる3つのコツをご紹介します。
結論:半分に切ったナスの皮面に切り込みを入れる (①②の最適解)
そもそもナスを小さく切ってしまっては、トロトロ感もジューシー感もあまり感じられないので、なるべく大きな状態で調理したい。ただ、切らずにそのままでは中まで火入れするのは難しい。ということで、半分に切るのが良さそう。というところがスタートでした。
ただ、ナスの皮は火が入りにくく味も入りにくい。じゃあ隠し包丁を入れたらどうかとなったわけです。その上で、その深さの塩梅、難しくないやり方に落とし込みました。
結論:ナスと油の性質を利用して最小限の油で火入れする (③の最適解)
ナスは油をメッチャ吸います。ご経験がある方も少なくないはずです。結果、油っこくなってしまう。
ところが、それは加熱中の話で。加熱前のナスはさほど油を吸いません。さらに、油自体も温度が低い状態の方が粘度が高く、より吸われにくい。
ということで、切ってアク抜き(水分がつくので)せず、すぐに塗ることで、最小限の油で調理ができるというわけです。
※油が少なすぎると火が入らないので、多少は必要
結論:皮面に焼き色がついたらひっくり返す (④の最適解)
ナスに味を含めるためには、皮にしっかり火が入っている状態を作るのが非常に重要です。
ところが、ナスは色が黒っぽいために、その見極めが難しい。何かいい方法はないか…
ということで試作を重ねる中、ある見極め方に気づきました。
それは「皮面から焼き、ナスがフライパン上の油を吸い切ったタイミング」が適であるということです。ちょうどそのくらいのタイミングで、皮面に焼き色もつくので、組織が壊れ、味が入りやすい状態になるんです。
これが、先に皮でない面から焼くと、判断できなくなる。なので、必ず皮から焼くのがいいんです。
その後は、調味料の味がしっかり入るので、レシピの分量通り(多少適当でも大丈夫です)作ってもらえば、バチっと仕上がります。
3つのコツを押さえれば、いつものナスの煮浸しがお店のような味に仕上がること間違いなしです。ぜひお試しください。
こじまぽん助/分子調理学をベースに「なぜおいしくなるか」を解説するレシピ動画をYouTube・クックパッドで公開中。

