食道狭窄の治療
食道狭窄の治療は原因によって異なりますが、基本的には「食道を広げる」ことと「原因を取り除く」ことの二つが柱となります。良性の瘢痕性狭窄の場合、内視鏡を用いた拡張術がよく行われます。バルーンやブジーと呼ばれる器具を用いて、狭くなった部分を少しずつ広げる方法です。これにより食べ物の通過が改善し、症状が和らぎます。ただし、再び狭くなることも多いため、繰り返し処置が必要になる場合もあります。
薬物療法としては、逆流性食道炎が原因の場合、胃酸を抑える薬を長期的に使用することで再発を防ぎます。炎症を抑える治療と並行して拡張術を行うことで、症状のコントロールがしやすくなります。
一方で、食道がんによる狭窄では、根本的な治療として手術、放射線療法、化学療法が選択されます。進行していて手術が難しい場合には、内視鏡でステントと呼ばれる金属の筒を食道に留置し、食べ物の通過を確保する方法がとられることもあります。これは緩和ケアの一環として、生活の質を保つために重要な手段です。
このように、治療は患者さんの年齢や全身状態、原因疾患の種類や進行度によって大きく異なるため、専門医と十分に相談することが不可欠です。
食道狭窄になりやすい人・予防の方法
食道狭窄になりやすい人にはいくつかの傾向があります。まず、慢性的に逆流性食道炎を繰り返している人は、炎症による瘢痕で狭窄を起こしやすいといわれています。また、食道がんのリスクが高い人、つまり喫煙や多量の飲酒を続けている人、野菜や果物の摂取が少ない人、熱い飲み物を好む人も注意が必要です。放射線治療や手術で食道に操作が加わった人も、瘢痕狭窄を生じやすいとされています。
予防のためには、まず逆流性食道炎の適切な治療が欠かせません。胃酸逆流を防ぐために、就寝前の食事を控える、脂っこいものや刺激物を減らす、体重を適正に保つといった生活習慣の工夫が役立ちます。また、禁煙と節度ある飲酒も重要です。
さらに、食道がんを早期に見つけるための定期的な内視鏡検診は、狭窄の予防や早期治療に直結します。特にリスクの高い人は、医師と相談しながら定期的な検査を受けることが推奨されます。

