「目頭が切れる」症状が特徴的な病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「目頭が切れる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
眼瞼縁炎
眼瞼縁炎は、細菌感染などが原因となり、まつ毛の根元にある眼瞼縁が炎症を起こす病気です。この炎症によって、目頭が切れやすくなります。治療法としては、温罨法や、アイシャンプーを用いてまぶたを清潔に保つことが重要です。重症の場合は抗菌薬やステロイドを含む点眼薬が使用されます。目のかゆみや赤み、まぶたの腫れが続く場合は、早めに眼科を受診してください。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎は、花粉やハウスダスト、動物の毛などのアレルゲン(アレルギーの原因物質)によって引き起こされる結膜の炎症です。目頭のかゆみや腫れ、さらには切れるような症状を伴うことがあります。治療はアレルゲンの除去が重要で、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の点眼で症状を和らげます。症状が強い場合はステロイド点眼薬が必要となることもあります。目のかゆみや赤みが強く、日常生活に支障をきたす場合は、眼科またはアレルギー科を受診してください。
春季カタル
春季カタルは、アレルギー性結膜炎の重症型で、特に小学生から中学生の男児に多く見られる疾患です。原因はハウスダストやダニ、花粉などで、アトピー性疾患の家族歴がある場合にリスクが高まります。主な症状は強い目のかゆみ、目の充血、目やになどです。さらに、角膜が障害されると視力低下を引き起こすこともあります。治療は抗アレルギー点眼薬やステロイド点眼薬、免疫抑制剤点眼薬が用いられ、重症の場合には外科的治療も検討されます。多くのケースでは思春期に自然に症状が軽減しますが、適切な治療を行わないと視力低下などの後遺症が残る可能性があります。かゆみの症状がいつもより強い、見づらさがあれば早めに眼科を受診しましょう。
非感染性眼瞼皮膚炎
非感染性眼瞼皮膚炎は、まぶたの皮膚に炎症が生じる疾患で、主にアレルギー反応や乾燥、刺激物への接触が原因です。まぶたがかさつき、目頭が切れるような症状が現れることがあります。対処法としては、アレルゲンを避け、皮膚の保湿を行うことが重要です。重症の場合はステロイド軟膏などを用います。かゆみや赤みが長引いたり、皮膚がひび割れているなどの症状がある場合は、皮膚科または眼科を受診してください。
角膜炎
角膜炎は、角膜に炎症が生じる疾患で、細菌やウイルス感染、外傷、コンタクトレンズの不適切な使用などが原因です。特に、コンタクトレンズの不適切な使用に伴う角膜炎が増えてきています。炎症が目頭に達したり、目やにが多くなったりすることで、目頭が切れるような症状を引き起こすことがあります。治療法は原因に応じて異なり、細菌性角膜炎には抗菌薬、ウイルス性角膜炎には抗ウイルス薬が用いられます。見えづらさや充血、強い痛みがある場合は、すぐに眼科を受診してください。
「目頭が切れる」の正しい対処法は?
目頭が切れる症状を落ち着かせるためには、まず清潔な状態を保つことが重要です。手を洗った後に、患部を優しく洗浄してから保湿クリームやワセリンを塗布すると良いでしょう。
乾燥が原因の場合は保湿が最も重要です。一方、アレルギーが原因の場合は、アレルギーの原因物質を避けることが基本です。症状が軽度であれば、市販の抗アレルギー薬を使用するのも一つの方法です。ただし、感染症が原因で目頭が切れている場合は、早めに医師の診察を受ける必要があります。市販薬を使ってもどんどん悪化する場合は、速やかに眼科を受診しましょう。
市販薬を使用する際には、症状によってその適用が変わります。軽い乾燥や少しのかゆみであれば、市販の保湿クリームや抗アレルギー薬でも治る場合が多いです。一方、傷が広かったり、腫れや目やにが多く見られる場合は、市販薬ではなく医師の診察を受けましょう。他にも、目がかゆい、目が痛いなどの症状があれば冷やしたり、それらの症状がなかれば温めたりすることで症状を和らげることができます。

