等身大の育児トークや飾らない人柄で幅広い世代から支持を集めている芸人の横澤夏子さん。3人の娘さんの子育ての様子をInstagramや、藤本美貴さんとMCを担当するテレビ番組『夫が寝たあとに』(テレビ朝日)で紹介しています。
アイスム編集部一同も、横澤さんのファン。「ぜひ、横澤さんのおうちごはんのリアルを聞かせてください」とオファーしたところ、「お料理は得意ではないんです…」と一度お断りのご連絡がありました。
アイスムは食のメディアですが、料理が苦手だったり、好きじゃなかったりする方にも届けたい。みんながいつでも前向きに料理ができるわけではありません。そんな人たちにこそ届けたいことがたくさんあります。
そのコンセプトを伝え、改めてもう一度オファーしたところ「得意ではないですが、ぜひ」とご快諾いただき、取材が実現しました。

お話を伺った人:横澤夏子さん
1990年生まれ。新潟県出身のピン芸人。「R-1ぐらんぷり」では2016年から2年連続で決勝に進出。「女芸人No.1決定戦 THE W」では2018年に準優勝。2023年冬に開催された「ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ」にて優勝。プライベートでは2017年に一般男性と結婚し、3人の子どもを持つ。『夫が寝たあとに』(テレビ朝日)では藤本美貴とダブルMCを務める。食べて欲しいと願って工夫した「バナナおにぎり」

ーー料理はあまり得意ではないと伺いました。そんな中で、毎日おうちごはんと向き合っているのだとか。
基本的には、料理は苦手なんです。でも今は「逃げられない日課として」なんとか向き合っている感じですね。
ーーまさに、料理好きではない横澤さんにお話を伺いたかったんです。
よろしくお願いします。自分の中で「よし、やるぞ!」とスイッチが入った時だけは、料理を楽しめるタイプでもあるんです。「これ作ってみたいな」と思えるメニューをインスタで見つけたり、ママ友から「せいろ蒸し、ラクでいいよ!」と聞いたりすると、ちょっとがんばろうかなって思えます。
ーー最近は、どんなメニューを作りましたか?
「土鍋ごはんなら食べる!」というお子さんがいると聞いて、「ホントに?」と気になって試しました。
あとは、『ノンストップ!』(フジテレビ)でご一緒している三上真奈アナウンサーに「冷凍ごはんをせいろで解凍するとおいしい!」と教えてもらって、早速やってみました。実験感覚で、「なにそれ、やってみたい!」と思えることを試すのが好きなんです。

ーー3人のお子さんが離乳食期から幼児食に移行していく中で、苦労されたことはありましたか?
大変なこと、たくさんありました〜。「この子の栄養が私にかかっている!」っていうプレッシャーがあって。「私がいないと子どもが生き延びられない!」と、命を背負っている感覚でしたね。毎日ほんとにしんどかったです。
ーー昨日ハマっていたメニューを今日出したら全然食べない…なんてこともありますよね。
あるある!あとは…そうですね。たとえば、ごはんにひじきを混ぜるとか、いろんな具材を入れた“混ぜごはん”をよく作っていたんです。でも、そうしているうちに、白いごはんを全然食べなくなっちゃって。どうやって打破したらいいのか、かなり悪戦苦闘していました。
ーーあるあるですね。よく外出時もふりかけを持ち歩く親御さんもいらっしゃいますよね。
最近は、十六穀米なら食べられることがわかって、それをよく炊いています。栄養もあるし、自分の気持ちも少しラクになるんですよね。「これなら大丈夫かな?」って。
あとは、棒状の長いおにぎりをラップでくるんだ「バナナおにぎり」がヒットしました。
ーー「バナナおにぎり」は、どんなきっかけで生まれたんですか?
夜に仕事がある日は、ベビーシッターさんに来てもらって、子どもたちをお願いしているんです。「今日もきっとごはん食べないだろうな」と思いながら外出した日があって。でもその日に限っては、しっかり食べていたんですよ。
ーーどうして食べられたのか、気になります。
私も気になって、シッターさんに「何があったんですか?」って聞いたら、「おにぎり作る?」って声をかけたら、全部しっかり食べたんですよって教えてくれて。「同じ食材なのに、手を加えるだけで、こんなに食べるんだ!」とびっくりしました。
ーーそこから工夫して「バナナおにぎり」が誕生したんですね。
そうなんです。「とにかくこぼさないで食べてほしい」「そしてできれば早く食べてほしい!」って思って(笑)。
子どもの口って小さいから、細長くしたら食べやすいんじゃないかと思って、バナナの形にしてみたんです。ラップで巻いて、バナナの皮をむくようにして渡すと、楽しそうに食べてくれるんですよ。口のまわりも汚れないし、すごく助かってます。
ーーアイディア勝ちですね!
ふふふ。他にも素敵なアイディアごはん、ありますよ!メイクさんが教えてくれたんですけど、ざく切りしたきゅうりに「ヒガシマル醤油」のうどんスープの素をもみこんで、浅漬風にして出すんです。
子どもはうどんが大好きなんですけど、野菜を全然食べてくれなくて。ヒガシマルのうどんスープは、あまじょっぱいのがおいしいし、きゅうりもモグモグ食べるようになりました。逆に「食べすぎると、きゅうり人間になっちゃうよ!」って声をかけたくらい(笑)。
同じ方法で大根も食べられるようになりましたね。

ーー子育て仲間や経験者のアドバイス、助かりますね。
本当に。ママ友だったり、メイクさんだったり、まわりの人にたくさん聞いています。おかげさまで、「うちの子は、これなら食べたよ」というレシピをたくさん教えてもらいました。
保育園の保護者懇談会で「きゅうりを食べない子なんです…」というママがいて、私もその場ですぐさっきのヒガシマルのテクニックを伝えました。
ーー横澤さんに助けられた親御さんもたくさんいらっしゃると思います!逆に「張り切って作ったのにまったく食べてもらえなかった」という経験は?
いっぱいあります!アスパラの豚肉巻きとか、揚げ物とか。巻いたり揚げたりって、とっても手がかかるじゃないですか。だからこそ「なんで食べないんだろう」って、イライラしちゃうこともあります。
せっかく作った煮物も、あまり食べないですね。副菜にしては面倒くさいな〜、副菜のくせに!って思いながらもがんばって作るのに、結局手を付けないと悲しくなっちゃう。
ーーそんな中で「とりあえずコレさえあれば!」というごはんはありますか?
ラーメンは必ず食べるんです。生ラーメンを茹でて、野菜炒めとゆで卵を入れると完食してくれるので、お互いにラッキーごはんになっています。
