親ががんばっても子どもが食べない日はあるし「楽しい」食事が一番ーー横澤夏子さんのおうちごはん

親ががんばっても子どもが食べない日はあるし「楽しい」食事が一番ーー横澤夏子さんのおうちごはん

ごはんにありつけたら「やったー!!!」が自己肯定の秘訣

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ーー「もう今日はごはん作れない!」という日、どう乗り越えていますか?

近所のお肉屋さんで、メンチカツを買います。あとはお弁当に頼っているかな。「今日はがんばれない!」って日、よくあるんですよ。

でも、さっさとごはんを食べたい日のために、あっためてたまごでとじるだけの状態にした「親子丼の素」を作って冷凍しておいていますね。

ーー疲れていても、基本はおうちごはんなんですね。

子どもとだと、外食の方が疲れちゃう。おうちの方が手っ取り早いし、作り置きをしておいてくれた過去の私にお礼を言いたくなるんです。「数日前の横澤夏子、ありがとう!」って。

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ーー横澤さんがストックしている「いざという時用」の冷凍食品やレトルトがあれば教えてください。

冷凍やレトルト、めっちゃ活用しています!特にカルボナーラソースは子どもも好きで、パスタにかけるだけであっという間に食べてくれるから楽ですね。「くるくるパスタだよ」と声をかけて、一緒に楽しんでいます。

ーー横澤さんの食エピソードはいつも明るくて、お話を聞いていても和みます。「手抜きじゃなくて“工夫”」と前向きに捉えるには、どうしたらいいでしょうか。

まずは「ごはんにありつけた!!!やったー!!!」って思うことですね。こちらのがんばりと子どもが食べるものって、まったく比例しないじゃないですか。

ーー本当にそうですよね。

うちの子どもたちはコーンスープが大好きなんです。パックのコーンスープの素を牛乳で割っただけのものですが、誕生日ケーキが出てきたんじゃないかってくらいよろこぶんですよ。毎日お味噌汁を作っても食べないのに(笑)。

だから私も「親の手間とか関係ないんだな」と思えるようになって。「じゃあ、子どもたちがよろこぶのが一番だ!」って思うんです。

ーーコーンスープを牛乳で割ったら、もう最高の料理だ!と。

保育園で「お母さんの好きなところはどこですか?」って質問された時に、「コーンスープを作るところ」って答えていたくらいですから(笑)。母の味、コーンスープになりそうです。

子どもが食べないのは、料理スキルのせいじゃない

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ーー横澤さんも「家族に何を食べさせたらいいか分からない…」と悩んだ時期は長かったですか?

はい。「うちの子どもの栄養は足りているのか?」って考えてしまうこともあったんですが、保育園に入ったら、一日一食は管理栄養士さんのごはんが食べられるじゃないですか。それがとてもありがたくて。「うちの子どもの栄養を考えてくれる方が増えた!」と思えたし、肩の荷が下りました。

ーープロが監修しているごはんを食べているから大丈夫、と気楽になりますよね。

うちの3人娘を見ていると、本当に食べる子と食べない子がいるな〜って思うんです。だからミシュランの調査員だと思うことにしました。「食べない!」「これはイヤ!」とか言われても、こちらが腹を立てると疲れちゃうし、もう私の料理うんぬんじゃなくて、「そっか、舌が合わなかったんだね」って、割り切るんです(笑)。

ーーそう思えるようになったきっかけは?

前に、料理家のSHIORIさんに「お子さんは何を食べますか?」って聞いたことがあるんです。そうしたら、「なにも食べないですよ」って明るく返してくれて。SHIORIさんが「お母さんの料理の腕は関係ない!」と言い切ってくれたおかげで「私のせいじゃないんだ!」と思えたんです。

私は昔からSHIORIさんのファンで、『作ってあげたい彼ごはん』(宝島社)のレシピを真似して、作りまくってきたんですよ。そんな家庭料理のスペシャリストのSHIORIさんが「最近はもう、ポテトとうどんしか食べないよ〜」って話してるのを聞いていたら「じゃあうちの子たちが食べなくても、仕方ないじゃん!」って思えて。

ーーSHIORIさんのレシピに慣れ親しんでいた世代の親御さんたちにも、刺さりますね。

それまでは子どもに対して「食べろ食べろ!食べないと死ぬぞ!」って、焦って食事を与えていたけれど、「楽しさ」を忘れてたなと思って。おいしく食べる、楽しく過ごす、ごはんって楽しい!ってことを伝えていきたいなと思うようになったんです。

配信元: アイスム

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アイスム

がんばる日も、がんばらない日も、あなたらしく。「食」を楽しみ、笑顔を届けるメディア、アイスムです。 食を準備する人の気持ちが少しでも軽く、楽しくなるように。 おうちごはんのレシピや食にまつわるコラム、インタビューなどを通じて新しい食シーンを提案します。