「頭が重い」のはネクタイのせい?デスクワークを快適にする“あの首元ケア”とは

「頭が重い」のはネクタイのせい?デスクワークを快適にする“あの首元ケア”とは

「ネクタイを締めていると頭が重くなる気がする」と感じたことはないでしょうか。首元の締め付けが頸静脈還流に影響し、脳の血流に一時的な変化が生じる可能性を示す研究もあります。ただし、こうした症状には睡眠不足やストレスなど多くの原因が考えられます。メカニズムと注意すべき点を、エビデンスの強弱を踏まえて解説します。

柳 靖雄

監修医師:
柳 靖雄(医師)

東京大学医学部卒業。その後、東京大学大学院修了、東京大学医学部眼科学教室講師、デューク・シンガポール国立大学医学部准教授、旭川医科大学眼科学教室教授を務める。現在は横浜市立大学視覚再生外科学教室客員教授、東京都葛飾区に位置する「お花茶屋眼科」院長、「DeepEyeVision株式会社」取締役。医学博士、日本眼科学会専門医。

きついネクタイ・首元の締め付けと脳への血流低下|症状のサインと日常的な対処法

このセクションでは、首元の締め付けと関連し得る、身近な不調のサインと、日常生活のなかで実践できる対処法について説明します。

脳血流低下を示す可能性のある身体のサイン

以下の症状は、脳血流低下のときにも見られますが、疲労・睡眠不足・眼精疲労・ストレス・首肩こりなど、より多くの場面で起こる一般的な訴えです。「ネクタイが原因」と決めつける前に、まず生活全体を見直すことが大切です。
・頭が重い・頭痛がする
・集中力が続かない・思考がまとまらない
・目がかすむ・視界がぼやける
・軽いめまいや立ちくらみがある
・肩や首のこりが強い
これらがネクタイをしている時間帯に限って繰り返し強く出る場合は、締め方の見直しを試してみてください。改善しない、日常生活に支障がある場合は、首元以外の原因も含め、内科や神経内科などへ相談してください。「脳血流低下」と診断できるような特異的なサインはありません。

日常生活でできる首周囲の負担を減らすための対処法

科学的に「ネクタイを緩めれば脳血流が確実に改善する」と証明されたわけではありませんが、首元の圧迫感を減らすことで、肩こりや違和感が和らぐことはあります。以下は、負担を減らすための一般的な工夫です。
まず首元の締め付けを緩めることが基本です。仕事中であっても、適度なタイミングでネクタイを少し緩めたり、外したりすることが推奨されます。
加えて、定期的に身体を動かすことも全身の血液循環の維持に有効です。長時間同じ姿勢でデスクワークを続けると、全身の血液循環が滞りやすくなります。1時間に1回程度を目安に立ち上がって首や肩を軽くほぐすことで、血流の改善が期待できます。首をゆっくりと前後左右に傾けるストレッチや、肩を回す動作も、首周辺の血管の圧迫を和らげるうえで助けになります。
脱水は血液の粘度を上げ、全身の循環不良感を強めることがあります。脳血流だけをターゲットにした対策ではなく、全身の健康管理としてこまめな水分摂取を心がけるとよいでしょう。
現時点では、きついネクタイの着用が脳卒中・認知症・認知機能低下の直接的な原因であることを示す十分な医学的根拠はありません。

まとめ

きついネクタイや首元の締め付けは、頸静脈還流への影響を通じて一時的な眼圧上昇が報告されており、とくに緑内障やそのリスクがある方では、締め方の見直しや測定時の配慮が有用かもしれません。首や肩のこり、頭痛、集中力の低下などとの関連も指摘されていますが、多くは疲労・ストレス・デスクワークなど他の原因の方が多く、個人差も大きいです。

日常では、首元に指1〜2本分の余裕を持たせる、長時間のデスクワーク中に適度に緩める、40歳以降は症状の有無にかかわらず定期的な眼科検診(眼圧・視野・眼底など)を受ける、といった対策から始めてください。気になる症状が続く場合は、眼科や内科などへ早めにご相談ください。

本記事で述べている「きついネクタイと一時的な眼圧上昇」は複数の研究で報告されている事実です。一方で、ネクタイ着用と緑内障発症・進行の直接因果、または認知症・重大な脳疾患との関連を示す大規模研究は限られています。不安がある方は、症状の有無にかかわらず定期的な眼科検診をおすすめします。

参考文献

日本緑内障学会「緑内障診療ガイドライン(第5版)」

日本循環器学会「自律神経と循環器疾患」

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。