
井内悠陽と阿久根温世(ICEx)がダブル主演を務めるFODオリジナルドラマ「コントラスト」(毎週火曜夜0:45-、フジテレビ/FODにて全話配信中)。対照的な青年2人がひかれ合う姿と恋する気持ちを丁寧に紡いだ青春ラブストーリーとなっている。接点のなかった2人が出会い、少しずつ心を通わせていく様子に思わず引き込まれる第1・2話の見どころを紹介する。(以下、作品のネタバレを含みます)
■なぜか目が合う人気者と秀才の出会い
本作は、繊細なイラストとこまやかな心情描写に定評があるitz氏原作の同名BLコミックの実写ドラマ化。学年イチの人気者である翔太(かなた/井内)は、学年成績トップクラスの秀才である陽(あきら/阿久根)と、なぜかすれ違うたびに目が合うことで気になっていた。ある昼休みに階段の踊り場で翔太は陽に遭遇し、交流するようになる。翔太は隠していた心の内を陽に打ち明け、距離を縮めていくが…。
■「悩むのも無駄じゃないよ」クラスメートには言えない心の内を明かす
まず最初に注目してほしいのは、クラスメートには深い話をしない翔太が陽に気持ちを明かすシーン。屋上にいる陽のもとに翔太がやってきて校庭を見ていると、「サッカー好きなの?」と陽が何気なく聞く。翔太は小さい頃からサッカーをしていて、中学時代はキャプテンを務め、エースストライカーだったことを話す。
陽が「すごいね」と言うと、翔太は「でしょ」と笑つつ、「すごいって思ってた、自分でも」と言う。そこで話をいったんやめようとする翔太だが、「よかったら話して、いくらでも」と陽に促され、少しずつ話し始める。
2つ下の弟が地元のクラブチームのジュニア選手にスカウトされ、悔しくて仕方がなかったと吐露する翔太は「その後、すぐに怪我しちゃって、だんだんサッカーが辛いだけになっちゃったんだよね」と続ける。陽は「でも、何かを迷っていたり、確かめたいときはそうやって話しながら気づくこともあるだろうし、悩むのも無駄じゃないよ」と静かに語りかける。翔太は感じ入ったように聞いていたが、「聞き上手だ、さすが特進クラス」と冗談めかし、陽は「それは関係ないかな」と返した。
クラスでは人付き合いも良くて明るく振る舞っている翔太だが、心には深い傷を抱えている様子に切なさが募る。翔太を批判するでも励ますでもなく、悩んでいる事実を肯定して受け止める陽に、こちらも救われる思いがした。
■印刷して持ち歩きたいほどの名言と、尊すぎる“肩ズン”の破壊力
第2話でも屋上で陽と翔太が話すシーンが登場。翔太はサッカーを再開することが怖いと思いつつ、やめたままでいいのかと思い、ずっと焦ってると切々と語る。「もちろん弟のことは応援してる。けど、あいつ見てるとすっげえ惨めで…わけわかんねぇ」と翔太は続け、苦笑いを浮かべる。
静かに聞いていた陽は「翔太のなかで今、確かなものって何?」と質問し、翔太はしばらく考えた後、陽のほうに近づいて校庭を見下ろすと「サッカーしたい、本気でもう1回。やっぱ、サッカー好きだし」と笑う。
「じゃあ、その気持ちを翔太が翔太のために守ってあげて。どこで道が開けるかなんて人それぞれだし、他と比べなくていい。本気でやれば、本気でしんどいし、悔しいけど、本気で楽しくてうれしいってことでしょ、ね?」と陽はほほ笑んで言葉をかける。翔太は何かから解放されたような表情を浮かべると、隣に座って「陽、ありがとう」と陽の肩に頭を乗せる。陽が「何が?」と聞くと、翔太は「いろいろ」とだけ答えた。
「惨め」という言葉まで使って自分の本音を話し、陽に心を開いた翔太がいじらしく感じられる。陽が翔太のためを思って語った言葉は、印刷して持ち歩きたいほど心に刻みたい名言であり、胸に深く刺さった。肩ズンする2人の姿は尊くて、見ているだけで幸せな気持ちになった。
少しずつ打ち解けていく2人のこれからの展開を、しっかりと見守っていきたい。
◆構成・文=牧島史佳

