皮膚がんの検査法
皮膚がんの検査方法について解説します。
ダーモスコピー
ダーモスコピー検査では、ダーモスコープというライト付きの拡大鏡を使用して、皮膚の病変部を10〜20倍に拡大して詳細に観察します。皮膚がん特有の特徴や、良性のほくろやシミとの区別が可能で、皮膚科医によって行われます。この検査は外来で短時間で完了し、痛みもほとんどなく、事前準備も不要です。
皮膚生検
皮膚生検は、局所麻酔を施した上でがんが疑われる部分の小さな組織を切り取り、顕微鏡で詳細に検査する方法です。一般的には入院の必要がなく、外来で行われます。生検で採取する組織は3~4mm程度と小さいため、処置後に少し痛みを感じることはありますが、通常すぐに治まります。生検はがんの確定診断に有効で、病変の進行度や適切な治療法を判断するための重要なステップです。
画像検査
皮膚がんの診断後、転移の可能性を確認するために画像検査が行われます。例えば、超音波検査ではリンパ節の腫れを確認し、CTやMRIはがんの拡がりや他の臓器への転移を評価します。PET-CTは全身のがん細胞の広がりがわかるため、進行がんの患者に特に有用です。これらの画像検査も多くは外来で対応可能で、迅速かつ的確な治療の計画に役立ちます。
皮膚がんの治療法
それでは、皮膚がんの治療法について説明します。
手術療法
手術療法は、がんの患部を外科的に切除する方法で、皮膚がん治療の基本となる治療法です。基底細胞がんや扁平上皮がんに対して有効で、皮膚科またはがん専門の外科で実施されます。進行度が低ければ日帰りや短期間の入院で済むことが多いですが、がんの進行具合によっては入院期間が長引く場合もあります。
放射線治療
放射線療法は、手術が難しい部位や高齢の患者に使用されることが多く、がん細胞のみを狙って破壊し、周囲の正常組織への影響を最小限に抑える方法です。がん専門病院や大規模医療施設で行われることが多く、通常は通院治療ですが、患者の状態によっては入院が必要になることもあります。放射線療法は、特にがんが局所的に留まっている場合に有効です。
化学療法
化学療法は、主に悪性黒色腫などの進行がんに対して用いられる治療法で、抗がん剤を使用してがん細胞の増殖を抑えます。化学療法は、がんの広がりを防ぐために使用され、がん専門医がいる病院で実施されることが一般的です。副作用も伴うため、入院しながら行うことが多く、がんの進行度や治療の効果に応じて治療期間が変わります。

