
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『琉球蟹探訪』(小学館クリエイティブ刊)より、『干潟備忘録』を紹介する。5月より「ビッコミ」で連載が開始した、『キリコの生き物探訪』(小学館刊)でも知られる作者のさとかつさんが、5月22日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、8000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、さとかつさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
■人語を解する謎の生き物との出会い

研究のために干潟でカニを獲っていたキリコは、謎の生き物に遭遇。シラヌイと名乗ったそれは、「一カ月ほど帰省…いえ…血をいただいてもいいですか?」と持ち掛ける。拒否しようとするも、シラヌイの持つ知識が研究に役立つことを知り2人は奇妙な協力関係に。
取引はどちらにも都合がよく、互いに助けられながら穏やかな日々を過ごしていた。約束の日、最後に血を吸わせて欲しいと言われキリコが快諾すると、シラヌイは「大変…心苦しいのですが…」と呟き…。
この不思議なエピソードを読んだ人たちからは、「絵も話もあまりに綺麗」「こういう話好き過ぎる」「何故リポストは1回しかできないのか」など、多くのコメントが寄せられている。
■「シラヌイとキリコの時間感覚の違いを表現できた気がします」作者・さとかつさんに漫画創作へのこだわりをインタビュー

――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか?
2022年頃に、「チワラスボ」という干潟に棲む魚に寄生する新種の甲殻類に「オシリカジリムシ」という和名が付いたので、それが発想元です。オシリカジリムシというとアニメキャラクターが有名ですが、発見時にチワラスボの臀鰭に齧り付いていたためこのような命名となったようです。ちなみに「シラヌイ」はオシリカジリムシの学名をもじっています。
――本作では、シラヌイとの距離の縮まり方が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
シラヌイは一見するとキリコに友好的なように見えて、その間には微妙なズレがあるような、そんなやりとりになるよう意識しています。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
ラストの「ヒトはたった数万年で月にまで踏み入ったのですから、いずれ私に辿り着くでしょう」のくだりは気に入っています。シラヌイとキリコの時間感覚の違いを表現できた気がします。私たち人間は個人それぞれの意識があってそれを軸に生きていますが、他の生き物は意識が種全体だったりするのではないでしょうか。
――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。
読切のような話が好きなので、なるべく物語が冗長にならないように意識して作っています。
――今後の展望や目標をお教えください。
今年5月からビッコミ様にて『キリコの生き物探訪』という連載が始まったので、こちらに注力していきたいです。また、少なくとも年1回はコミティア等のイベントにも参加できればと思います。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも読んでいただいてありがとうございます。もしも自分の漫画が身近な自然に目を向けるきっかけになっていれば、とても嬉しいです。

