息子が5歳のころ、親戚から立派なマスクメロンをお中元でいただきました。普段はなかなか買えない高級品だったため、食べごろになる日を家族みんなで楽しみにしていました。ある日、夫の両親も遊びに来ることになり、せっかくなら一緒に食べようと準備を始めたのですが……。
義母「私が切り分けるわ!」
私がメロンを切り分けようとすると、義母が言いました。「こういう高級な果物は、私が切るわ」そう言って、義母は包丁を受け取りました。
しばらくして切り分けられたメロンを見ると、義父母と夫にはそれぞれ大きめの二切れ、私には一切れ。そして息子の分だけ、小さく切られたメロンが2粒だけだったのです。
驚いていると、義母は笑いながらこう言いました。「子どもにはまだ味なんてわからないし、こんな高級品はもったいないから」その言葉に、私は胸がチクリとしました。
息子は小さなメロンを見つめながら、「もっと食べたかったな……」とぽつり。その場の空気を悪くしたくなかった私は、こっそり自分のぶんと息子のぶんを交換。そして「また今度いっぱい食べようね」と声をかけました。
後日、家族だけでもう一度
数日後、私は思い切って同じ品種のメロンを購入しました。今度は義父母を呼ばず、家族だけでゆっくり食べることにしたのです。息子には、好きな大きさを選ばせました。すると息子は、うれしそうに目を輝かせながら言いました。
「今日はいっぱい食べられるね!」その笑顔を見た瞬間、前回の寂しそうな表情を思い出し、少し胸が熱くなりました。高級な食材だからこそ、大人だけが楽しむものだと決めつけるのは違うのかもしれません。子どもにとっても、「自分も大切にされている」と感じられることは、とても大事なのだと思います。
特別なものを食べるときこそ、誰かだけが我慢するのではなく、みんなが同じように笑顔になれる時間を大切にしたいと感じた出来事でした。
著者:鈴木愛子/30代女性/8歳、6歳、0歳の3きょうだいを育てる母。パートで事務をしています。
イラスト:あやこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年6月)

