
映画「侍タイムスリッパー」(2023年)の外伝となる連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」(毎週木曜夜11:00-11:30、BS-TBS)が、いよいよ7月16日(木)よりスタートする。このほど、本作の記者発表会見が東京・池袋のシネマ・ロサにて行われ、田村ツトム、沙倉ゆうの、井之上チャル、安田淳一監督、横山剣(クレイジーケンバンド)が登壇した。
■大人気時代劇コメディー待望のスピンオフ作品
幕末に生きる侍が、ひょんなことから現代の時代劇撮影所にタイムスリップし、この時代で生きていくべく奮闘する姿を描いた時代劇コメディー「侍タイムスリッパー」。
自主制作映画ながら歴史ある東映京都撮影所にて大々的な撮影を敢行し、時代劇の魅力が存分に詰めこまれた同映画は、当初単館での公開だったが口コミで話題を呼び、興行収入10億円を突破する大ヒットを記録。第48回日本アカデミー賞では最優秀作品賞を受賞するなど、映画界からも高く評価された。
そんな「侍タイムスリッパー」初のスピンオフ作品となる「心配無用ノ介 天下御免」は、映画の劇中テレビ時代劇として描かれ、主人公・高坂新左衛門(山口馬木也)に肉薄する人気を博したキャラクター・心配無用ノ介を主役に据えた連続ドラマ。映画同様、安田監督が監督・脚本・撮影を担当する。
心配無用ノ介は、「心配ご無用!」の決めぜりふとともに悪を成敗する一流の剣客。飄々として掴みどころのないキャラクターだ。映画版に引き続き、田村ツトムが心配無用ノ介役を演じる他、映画で新人助監督・優子役を演じた沙倉ゆうのがくノ一・おゆう役で、井之上チャルが新キャラクターの御庭番・善治役で出演。共に心配無用ノ介を支えていく。
物語は、超定番の「ベタな」展開から、その「ベタさ」自体にツッコミを入れる回、さらには制作の裏側を描く回など多種多様。2026年3月にリニューアルオープンした京都・東映太秦映画村の全面協力の下、昔ながらの勧善懲悪型の気楽に楽しめる娯楽時代劇を、令和の時代ならではの斬新な仕掛けとともに復活させる。
■心配無用ノ介らキャスト陣が約衣装で登場
映画「侍タイムスリッパー」の快進撃の火付け役となり、同作品の“聖地”と言えるシネマ・ロサにて行われたこの日の会見。完成披露上映会に先んじて行われた記者会見には、心配無用ノ介役の田村、おゆう役の沙倉、善治役の井之上が役衣装で登場。
主演を務める田村は、「この作品は、映画『侍タイムスリッパー』の劇中劇『心配無用ノ介』という物語から、勢い余って飛び出したドラマです。多くのファンの皆さんの一声一声が力になってドラマ化された作品なので、そういう気持ちも背負いながら、一生懸命撮影に挑みました。
また、本作はすべて京都太秦映画村での公開撮影という形で、全6話の撮影を進めてまいりました。完成したドラマも見させていただきまして、時代劇ファンの皆さまにも、そして新しく『このドラマなんだろう?』と興味を持たれる方にも喜んでいただける作品となっておりますので、その辺のところを見ていただければと思います」とあいさつ。

沙倉は「この『心配無用ノ介 天下御免』というドラマはクスッと笑える時代劇で、子どもからお年寄りのおじいちゃん、おばあちゃんまで、家族みんなで楽しめる作品になっています。特に年配の世代の方にとっては、『昔懐かしい時代劇』でもあると思います。
そして、京都・太秦は“日本のハリウッド”と呼ばれていて、今年時代劇が太秦に来て100年という節目の年でもあると聞いています。その中で太秦映画村のリニューアルオープンとともに、この作品の撮影ができたことが私自身すごく幸せでした。そして私の見どころとしては、このおゆうの姿で合口(短刀)で立ち回りをしているところです」と語った。

一方、井之上は、「お庭番・善治役、井之上チャルと言います。チャルです。もし良かったら皆さん『チャルメラ』を思い出してもらっていいですか? その“メラ”を取ったら“チャル”だけが残るでしょう。それが私の俳優としての名前でございます。もしこれから『チャルメラ』を食べる時があれば、僕をふと思い出していただけると幸いでございます」と、ここぞとばかりに自身の名前をアピールする場面も。
続けて、「見どころはもう『全部』と言っても過言ではないんですが、この30分の時代劇は、監督のこだわりがもう詰まりに詰まった大傑作と自負しておりますので、私の見どころは『最後まで見ていただく』、これでお願いします」と淀みなく言い切るも、ツッコミ待ちの空気がうまくハマらず若干グダグダになってしまい、キャスト陣の笑いを誘った。

■安田監督が切実な裏事情を赤裸々に告白
本作の企画・監督・脚本・撮影を務めた安田監督は、「このシネマ・ロサで『心配無用ノ介 天下御免』のお披露目ができることをすごく喜んでおります。映画『侍タイムスリッパー』の舞台あいさつの際に、『応援していただいた皆さんに何か恩返しがしたい』と話していたことが、こうやって実現できたことが本当にうれしく、幸運だと思っています」と、本作の完成に率直な思いを。
さらに、「(映画に続いて)僕がカメラマンをして、うち(安田監督が代表を務める未来映画社)が全面的に機材を出してようやく形にできた作品だったのですが、内容的にはそれをあまり感じさせずに、“ちゃんとした時代劇”として見てもらえると思います」と、裏事情もあっさり明かしつつ充実の作品となったことに手応えを感じさせる。
続けて、「あと、時代劇とは言いつつも、回を追うごとにツッコミを入れるような展開を見せたり、映画では助監督の優子を演じてくれた沙倉さんが、今回なぜ御庭番のおゆうを演じることになったのかという、ほぼ現代劇をやりきっていたり、なかなか一筋縄ではいかない展開を見せていきます」と、先々の展開についても言及。
そして、「BS-TBSさんをはじめ、皆さんが本当に僕の好きなようにやらせてくれたから、こういう作品ができました。なかなか時代劇が民放で作れないという時代にあって、今回実現できたことを本当にうれしく思っています」と、スタッフへの感謝を述べつつ、「この勧善懲悪時代劇を、大人から子どもまで楽しんでご覧いただきたいと思います」と訴えた。

■ドラマのために“蔵出し”した新曲は「“横山剣節”も炸裂している」(田村)
ここで、本作のエンディングテーマ「心配無用節」を手がけたクレイジーケンバンド・横山剣がスペシャルゲストとして登壇。今回の楽曲について横山は「お話を頂いたときに『やった~!』って興奮していました。新たに書き下ろそうと思ったんですが、そう言えば過去のストックに『絶対にハマる』と思った曲がありまして、それを蔵出しして、カスタマイズして出来上がった曲なんです」と告白。
また、「このドラマの世界観が、ちょっと常識とはまた違うというか、共感できるようなユニークな部分ありまして、『これはもう間違いないな』と思って書かせていただきました」と、本作ならではの世界観を踏まえた楽曲に仕上げたことを明かした。
安田監督は「(スタッフさんから)『エンディングテーマを作ってもらいたい方いらっしゃいますか?』と言われたときに、クレイジーケンバンドさんが以前ドラマの主題歌になった曲がすごく好きだったので、『クレイジーケンバンドさんにお願いできたら嬉しいですね』って言ったら、『頼みましょう』ということで(オファーさせていただいた)。
『どんな曲調がいいですか』と言われたので、生意気にも『昭和的な、ちょっと演歌っぽい感じのロックだとうれしいです』みたいな話をしたら、ピッタリの曲が上がってきて。エンディングや番宣映像の編集も僕がやっていたのでこの曲をずっと聞いていたんですが、すごく聴きやすくていい曲なので、いろんな方に広まってくれたらいいなと思いながらやってました」と、楽曲の感想を明かした。

田村は「僕もクレイジーケンバンドさんの曲をずっと聞かせていただいてまして、この“心配無用節”を初めて聞いたとき、“横山剣節”も炸裂しているなと。剣さんのコブシがすごく効いていて、しかもテンポも良くてすごくノリノリで。ドラマのエンディングで流れたとき、視聴者の皆さんが見終わって『今日のドラマも良かったな』って木曜日の夜眠りについていただけるんじゃないかな」と絶賛。
沙倉も「エンディングの映像とともにこの曲を初めて聞かせていただいたんですが、私たち(キャスト)の映像とともに流れてくるテンポの良さとノれる楽曲で、(本作の)家族で楽しめるっていう要素にぴったりだなって思いました」とコメント。
そんな中、井之上は「(この曲が流れる)エンディングロールがすごく早いので、曲の終わりも早くなっちゃうから、もうちょっと聞きたかった」と本音を。すると横山は、「後に楽曲化した時にフルサイズで作りますので。ぜひ楽しみにしてください」と宣言した。
■次回作でフォーカスするのは「村田左之助」?
集まった記者からは、本作の主人公である心配無用ノ介の魅力について質問が。安田監督は「演出面では、やはり昔の時代劇の主人公がそうであったように、弱いものや庶民の人々の悲しみとか怒りとか、そういう思いを代弁するヒーローであってほしいという思いがあって。その辺りをちょっとこだわって作っていました」と、キャラクター像に込めた思いを明かす。
田村も「監督と同じように“庶民に愛されるキャラクター”だということと、映画『侍タイムスリッパー』の時からそうなんですが、僕がずっと理想に描いていたのは、“二枚目”と“三枚目”のちょうど間ぐらいという心配無用ノ介のポジションで。今回の全6話も、すべてその気持ちで演じさせていただきました」と、演じる上での意識を語ってくれた。
そんな心配無用ノ介を支える立場の沙倉は、「町の人たちを守るというところで、正義感に加えて貫禄がある姿なんですけど、そこにちょっと可愛らしさが垣間見えるところが、すごく愛されるキャラクターだなって思います」と女性らしい目線で分析。
一方の井之上は、「今から30年くらい前の京都の撮影所はすごく厳しくて、主役の方も本当に怖かったんです。もちろんケガをするかもしれないですし、ピリピリするところは大切なんですが、今回(主演の田村は)ピリピリ感と優しさがすごく詰まっていて。“生きる心配無用ノ介”という感じでした」と演じる田村のことを称賛。それを聞いた田村は「後で口座番号教えてくれる?(笑)」とご満悦だった。

また、安田監督へ「侍タイムスリッパー」シリーズの今後の展開について話が及ぶと、「この作品は、僕はもちろん(『侍タイムスリッパー』を見てくれた)お客さんへの恩返し、東映太秦映画村さんは公開撮影の復活、BS-TBSさんは現代に勧善懲悪の時代劇を蘇らせるという、それぞれに意義を感じてやってきたところがあって。
今後については、BS-TBSさんが毎年の恒例として本気でシリーズ化されたいと思っておられるので、僕としてはそれが実現できるように、第2シーズンでも僕が監督をやったり撮影をやったり、うちの機材を安くお貸ししたりして(笑)、何とか形にすることを最優先でやっていきたいと思います。
『侍タイムスリッパー』絡みのお話としてもしも第2シリーズがあるならば、現代劇を描く回で、村田左之助(高寺裕司)という映画の最後にタイムスリップした侍が、どういう歩みをたどって現代に至ったのかを描くような回をやってみたいなと思っています」と、次作に向けたプランをぶち上げる。
田村が「すごい発言ですよ、今」と驚くと、安田監督は「僕は第2シリーズは無いものだと思って好きなこと言ってるだけ(笑)」とまさかの本音を。その言葉に田村はすかさずツッコミつつも、次作への期待をのぞかせた。


