
「外商顧客」をご存じだろうか?外商顧客とは、簡単に言うと“百貨店の超お得意様”である。ショップ単体のVIP客ではなく、百貨店のVIP顧客を指し、専用サロンがあったり、担当者が付いて買い物時には付きっきりで案内してくれたり…とゴージャスなサービスを受けることができる。自宅まで商品を運び込み、自宅でお買い物をしていただくイメージも強いが、現在ではデパートにお招きする形が主流となっている。百貨店の売上状況が厳しい昨今、外商顧客はとても重要な客層で、百貨店の売上の2~3割を占めるという。外商は百貨店にとって重要な収益源なのである。今回は、自身の体験をもとに描いたという本作「その女性、ストーカー」について、作者であるゆき蔵(@yuki_zo_08)さんに話を聞いた。
■気分を損ねれば大惨事に…百貨店スタッフとVIP顧客の危うい距離感



新人スタッフの粘田さんが巻き起こす数々の問題行動に、店長はいつか大変なことになるのではと頭を悩ませていた。しかし人事は聞く耳を持たず、やがて外商顧客を激怒させる大事件へと発展してしまう…。
アパレル業界で約10年の接客経験を持つ作者のゆき蔵さんに、勤務先の百貨店にはどれくらい外商顧客がいたのか尋ねると、「顧客の10%くらいだと思います。お名前は出せませんが、某サッカー選手の奥様や人気女優も顧客でした」と教えてくれた。百貨店にとって取引先である外商顧客の中でも、粘田さんが怒らせた相手は超VIP客だったという。取引先の重要客を怒らせてしまった事態の深刻さについて聞くと、「滅多にない緊急事態でしたが、80万円分の商品返品に応じれば解決だったのでまだよかった…といった感じです。私が勤務していた店舗ではないですが、お客様の高級バッグにペンのインクが着いてしまってお修理代を数十万を請求された事例もありました」と振り返った。
後日、この超VIP客本人が「それ相応の覚悟はしといて下さいね?」と店舗にあいさつに訪れ、スタッフ一同は震え上がったそうだ。なかなか知ることのできない百貨店の裏側がリアルに描かれた、ゆき蔵さんの「その女性、ストーカー」。ぜひ読んでみてほしい。
取材協力:ゆき蔵(@yuki_zo_08)
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