新たな国民病ともいわれる「慢性腎臓病(CKD)」。自覚症状が乏しいため、気づいたらかなり病気が進行していた、ということも少なくありません。今回は、慢性腎臓病治療のための食生活とはどんなものか、そして腎機能を低下させない食事療法には塩分制限が必要なのかを東池袋きむら内科クリニックの木村先生にうかがいました。

監修医師:
木村 庄吾(東池袋きむら内科クリニック)
2004年金沢医科大学医学部卒業。2011年2011年金沢医科大学医学部大学院医学研究科修了。社会医療法人財団董仙会恵寿総合病院内科医長、JA岐阜厚生連中濃厚生病院腎臓内科部長、武蔵野総合クリニック練馬副院長、両国駅前内科・透析クリニック院長、順天堂大学腎臓内科非常勤講師、湘南内科クリニック六本木院院長などを経て2021年4月東池袋きむら内科クリニック開院。医学博士、日本内科学会認定内科医、日本腎臓学会専門医、日本透析医学会専門医。
編集部
慢性腎臓病と診断された場合、どのような目的で治療が行われるのですか?
木村先生
慢性腎臓病の治療の目的は、2つあります。一つは、腎代替療法(透析や腎移植)が必要な末期腎不全への進行を遅らせること。そしてもう一つは、心血管疾患になるのを防ぐことです。慢性腎臓病を発症すると心臓への負担も大きくなり、心筋梗塞や心不全など心血管疾患を発症しやすいのです。
編集部
そのためにはどのような治療を行うのですか?
木村先生
まずは食事や運動など生活習慣を正すことから始めます。特に重要なのは日々の運動量に合わせた食事量にすること。運動量が多い人と少ない人とでは必要な食事量が違いますし、とりわけ都市部の人やデスクワークの人は運動量が少ないにも関わらずつい食べ過ぎてしまい、肥満に陥りがちです。そのため、自分のライフスタイルに合わせて食事量を決定することが大切です。
編集部
そのほか、食事で気を付けることはありますか?
木村先生
食事の内容では、塩分の摂取を制限することが大切です。
編集部
塩分の摂取制限が必要なのですね。
木村先生
腎臓は余分な塩分を体外へ排出する働きをしているため、腎機能が落ちているときに大量の塩分を取ると、腎臓に負担をかけてしまいます。腎臓が塩分を処分しきれない結果、体に塩分が溜まることになり、血圧が上昇してしまう可能性もあります。さらに高血圧が続くと腎臓の血管に負担がかかり、ますます腎臓の機能が低下します。このように、高血圧が続くと腎機能はさらに低下するという悪循環に陥ってしまうのです。
編集部
そのほか、食事で気を付けることはありますか?
木村先生
慢性腎臓病は病期によって食事療法の内容が異なり、腎機能が低下するにつれて食事制限(タンパク質、カリウム摂取など)が必要になります。また糖尿病を併発している場合には、これに加え、血糖をコントロールすることも必要になります。
※この記事はメディカルドックにて<新たな国民病? 「慢性腎臓病(CKD)」の治療法や食事・薬物療法を医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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