外痔核とは、通称いぼ痔の一種であり、突然できて悩んでいる方も多いでしょう。痛みが伴い座ることも困難になるケースもあります。
いぼ痔という言葉であればよく聞くため、原因や治療法などが気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、外痔核の受信のタイミングと検査法をご紹介します。
※この記事はメディカルドックにて『「外痔核」とは?治療法・原因・薬についても解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
外痔核の受診する目安や診断・検査

市販の薬で様子をみるのは危険ですか?
外痔核ができても、市販薬で様子を見る方は多いです。特に痛みが伴っていない方は市販薬だけで治す人も多いのではないでしょうか。しかし、市販薬だけで様子を見ることは危険です。
これは、大腸がんなどの別の病気である可能性があり、手術が必要となるケースもあるためです。大腸がんの場合、外痔核と似たような症状が出ます。そのため、市販薬のみで様子を見るだけでなく、タイミングがある際には一度病院で診察してもらいましょう。特にがんのリスクが高まる中高齢の人の場合で、排便時に出血があった際には必ず一度は病院で診察を受けた方が良いです。
受診するタイミングを教えてください。
外痔核の受診をするタイミングとしては、次のようなものがあげられます。
セルフケアをしてもならない場合
痔核により不快感が生じた場合
一番は外痔核ができてすぐに病院を受診することが理想です。しかし、市販薬でも効果のあるものが多いため、セルフケアを行いたいと考える人も多いでしょう。ただし、しばらくは市販薬でセルフケアを行っているにも関わらず治らない場合は、病院を受診しましょう。市販薬では、効果を得られずに症状が悪化する可能性もあります。また、痔核によってお尻に不快感や違和感を感じるようなときも、受診すべき目安となります。
外痔核の診断はどのように行われますか?
外痔核の診断は、まず問診からです。痛み・出血・脱出物の有無・腫れの状態などの問診を受けます。便通の状況や過去の病歴・生活についても細かく問診を受けます。次に実際に外痔核の部分を見ての状況確認です。横になり視診と触診を行い、肛門周囲の状況を確認します。さらに、肛門内に指を挿入しての指診も行います。これにより肛門内部の状態を確認するのです。指診を行うことで、肛門狭窄や大腸がんの有無なども判断できます。最後に肛門鏡と呼ばれるものを挿入し、内部の状況を直接見ます。
特別な検査はあるのでしょうか?
通常の検査は先述した通りです。しかし、必要な場合には特別な大腸内視鏡検査を行うケースがあります。これは、直腸を含めた大腸全部を内視鏡で観察するというものです。これによりさらに詳しく、ポリープ・がん・炎症などの状態を確認します。大腸内視鏡検査を行う際には、大腸を清潔にするために検査前の食事制限や下剤を飲んだりする必要があります。
編集部まとめ

外痔核はいぼ痔の一種であり、人によっては座ることが辛く感じるほど、激しい痛みを伴うケースがあります。
腹圧がかかることで血流が悪化し血栓ができるため、誰しも起こる可能性がある病気です。特にデスクワークなど座って作業をする時間が長い方や力仕事をする方は注意しましょう。
市販の薬での治療は不可能ではありませんが、外痔核による不快感が大きい場合やセルフケアで改善が見られない場合は、専門医に相談して適切な治療を受けましょう。
参考文献
あなたの痔はどのタイプ?診療方法と肛門科診療のタイミング|医療法人悠和会浜中医院
大腸内視鏡検査と治療|一般社団法人日本消化器内視鏡学会

