猛暑が続く季節、知らないうちに身体が熱っぽくなんとなく体調が悪いと感じた経験はありませんか?もしかするとそれは、熱中症の初期症状かもしれません。熱中症は重症化すると、意識を失ったり、亡くなったりすることもある危険な病気です。初期の段階で気がつき早急に対処することが重症化を防ぐカギになります。この記事では、熱中症の初期症状が現れたときの対処法についてわかりやすく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「熱中症の初期症状」はご存知ですか?初期症状のうち特に危険な症状も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
居倉 宏樹(医師)
は呼吸器内科、アレルギー、感染症、一般内科。日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会 総合内科専門医・指導医、肺がんCT検診認定医師。
熱中症の初期症状が現れたときの対処法

熱中症の初期症状が疑われるときはどうすればよいですか?
熱中症の初期症状が疑われた場合は以下のような応急的な対応が重症化を防ぐために大切です。涼しい場所に移動
日陰や冷房のある室内など、風通しのいい場所へ移動する 衣服をゆるめて身体を冷やす
首、脇の下、太ももの付け根などを冷やすと効果的です 水分と塩分を補給
スポーツドリンクや経口補水液がおすすめです 症状が改善しない場合は医療機関へ
吐き気や意識低下、頭痛などが続くときは受診が必要です
熱中症は重症度によりⅠ度〜Ⅳ度に分類されます。
I度
めまい、失神、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、こむら返りがあっても、意識障害を認めないもの II度
頭痛、嘔吐、倦怠感、集中力や判断力の低下 Ⅲ度
中枢神経症状、肝・腎機能障害、血液凝固異常の3つのうち、いずれかを含む Ⅳ度
深部体温40.0度以上かつ、GCS(意識レベルを評価するスコア)≦8
このうちⅡ度以上は医療機関の受診が必要とされています。
熱中症の初期症状のうちすぐに受診した方がよい症状を教えてください
熱中症の初期症状は、めまい、立ちくらみ、発汗、顔のほてり、筋肉痛などですが、これらの症状が涼しい場所への移動や水分の摂取をしても改善しない。または、全身症状として以下のような症状が出現したときは、すぐに受診をした方がいいでしょう。
吐き気や嘔吐が強く、水分がとれない
意識がもうろうとしている、会話がおかしい
頭痛がひどくなる、改善しない
汗が出なくなり、皮膚が熱く乾いている
体温が高く、冷やしても下がらない
これらの症状が認められる場合は、熱中症の重症度分類のうち、Ⅱ度(中等症)以上に分類されるため、医療機関への受診が必要です。
熱中症の初期段階で対処しない場合、どうなりますか?
熱中症の初期症状を放置すると、重症度分類のⅡ度(中等症)やⅢ,Ⅳ度(重症)へと進行する危険性があります。例えば、吐き気や頭痛が悪化し、意識障害や痙攣、重症化すると高体温による臓器障害などが起こることがあります。ときには命に関わることもあります。初期の段階でしっかりと冷却、水分補給など対処を行い、中等症以上へと進行させないことが重要です。
編集部まとめ

熱中症の初期症状は一見軽く見えるかもしれませんが、放置すると短時間で重症化するおそれがあります。特にだるさ、めまい、頭痛、吐き気などは、体温調節機能が乱れ始めているサインであり、早期の対応がとても重要です。子どもや高齢者は体温調節機能が低いため、症状の進行が早く、また、高齢者は加えて症状への気付きが遅れる傾向にあるため、周囲の気付きと予防意識が命を守るカギとなります。こまめな水分補給、暑さ対策、適度な休息を心がけ、症状が現れたら様子を見るのではなく、すぐに対処することが大切です。
参考文献
熱中症診療ガイドライン 2024
熱中症環境保健マニュアル 2022 – 環境省熱中症予防情報サイト
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