
トヨタ自動車に密着した「NHKスペシャル『インサイド・トヨタ』」(夜9:00-9:50、NHK総合)が、7月19日(日)に放送される。同番組は、年間約1,000万台、50兆円を売り上げる世界一の自動車会社でありながら、変革期の真っただなかで危機意識を持って決断するトヨタの姿を捉えるドキュメンタリー。トヨタ会長・豊田章男氏へのインタビューも交え、巨大組織の実像とその未来を追う。語りは山根基世が務める。
■トヨタ中枢への長期にわたる密着取材
今回、番組はトヨタの核となる中枢部への長期取材が許された。普段は外部に公開されることのない開発会議や試作検討の現場、役員らが商品の販売を決定する会議までカメラが入った。
日本の製造業をけん引してきたトヨタは、かつてない変革のただなかにある。中国などの新興メーカーの急成長、EVシフト、デジタル化が進むなど、自動車産業を取り巻く環境が激変するなか、開発の現場、経営の現場には強烈な危機意識があった。トヨタが抱く危機感とは何か。そして、どこへ向かおうとしているのか、その現在地を明らかにする。
■世界最多販売車種「カローラ」次世代モデル開発の苦闘
また、トヨタの象徴ともいえる「カローラ」の次世代モデル開発プロジェクトに注目。1966年の誕生以来、世界最多累計5,700万台を販売してきた量販車は、大きな転換期を迎えていた。背景にあるのは、最先端テクノロジーを追求するアメリカのテスラや、約2年という驚異的なスピードでモデルチェンジを行う中国のBYDといった、これまでの常識を覆すライバルメーカーの台頭だ。従来のやり方では生き残れないという意識のもと、エンジニアたちが生き残りをかけて苦闘する様子を映し出す。
■前例のない「プラットフォーム」並行開発への葛藤
さらに、トヨタは車の土台となるプラットフォームの並行開発という、会社の将来に直結するもう一つの重大なミッションも背負っていた。予測困難な未来を見据え、ガソリン車からハイブリッド車、電気自動車まで対応することを目指しながら、全体の開発期間の短縮を掲げる前例のない挑戦だ。
開発現場では、エンジニア同士が開発期間などをめぐって激しい議論が交わされ、ものづくりの根幹を問う葛藤が続く。急速に変化する世界の中で、製造業のリーディングカンパニーであり続けてきたトヨタの、変革を迫られる現場ルポを通し、日本のものづくりの現在地と未来を描く。
■豊田章男会長に日本の製造業の未来を問う
番組内では、トヨタ会長・豊田章男氏へのロングインタビューも放送される。豊田氏はカメラの前で「競争相手やテクノロジーの変化は当たり前。今のトヨタの一番のリスクはね、俺たちすごいよねと思うこと。そうなったら終わりです」「どこの国からも選ばれる国じゃないと、日本は生き残れない」と、思いを語る。

