
蒼井優が主演を務める金曜ドラマ「Tシャツが乾くまで」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)の第2話が、7月17日(金)に放送される。このほど、本作の主人公・瀬尾咲子を演じる蒼井にインタビューを敢行。まだまだ謎に包まれている部分も多い本作で、咲子を演じる上で意識したことや共演者の印象、作品の見どころなどについて語ってもらった。
■二組の夫婦の喪失から始まる“愛”と“秘密”の物語
本作は、「silent」(2022年、フジテレビ系)、「いちばんすきな花」(2023年、フジテレビ系)、「海のはじまり」(2024年、フジテレビ系)などを手がけた脚本家・生方美久が、とある事故に巻き込まれた二組の夫婦の“愛”と“秘密”を描くオリジナルストーリー。主演を務める蒼井は、本作が18年ぶりの地上波連続ドラマ出演となる。
蒼井が演じる主人公・瀬尾咲子は、出版社で結婚情報誌の編集担当として働く40歳。優秀で仕事はできるが、私生活では面倒くさがりで少し抜けている部分も。何事もまっすぐ純粋に受け取るタイプで、愛する夫・充(松山ケンイチ)と幸せな結婚生活を送っていた。
だが、ある夏の日、充が乗っていたバスで事故に巻き込まれたことで、咲子の幸せな日常は突然崩れ去ってしまう。さらに、その事故が暴いたのは、愛する⼈の“第3⾦曜⽇の秘密”だった。
本作の演出は「カルテット」(2017年、TBS系)や映画「花束みたいな恋をした」(2021年)、「九条の大罪」(2026年、Netflix)など、ドラマや映画で数々のヒット作を手掛けた土井裕泰が担当。さまざまなジャンルの作品を手がけてきた土井が、“喪失”と“再生”の物語を繊細に描き出す。
■多彩な読み方が可能な生方脚本における役作りの難しさ
――台本を読んだ感想をお聞かせください。
最初の数話は「何だろう、これは」という感じだったのですが、生方さんが言いたいこと、この作品のテーマが浮かび上がってきたときに「うわ、やられた!」と思いました。
とても軽やかで面白いセリフもたくさんある中で、言葉の下にある感情、生方さんのペン先の“先”にあるものを大事にしたいなと感じました。ナチュラルな会話のようで、そうではない。本当に難しいお題をいただいているなという感じです。
生方さんの描く、静かなようでものすごいエネルギーが必要なセリフ回しに飲まれないように頑張っています。
――咲子はどんな人物ですか?
とても明るくて、誰ともわりと上手に接することができる人です。だから表面上は社会に適応できているように見えますが、一部分だけスコンと抜け落ちているところがあるといいますか。
ピンチなときにヘラヘラ笑ってしまったり、楽しくないときに楽しいふりをしてしまったり。そんな、おそらく多くの人に心当たりがあるところがあるような、決して強い女性ではないと捉えています。
――撮影していく中で感じたことや、演じる上で意識されたことを教えてください。
大変ですが、とにかく楽しいです。人間模様を描いている作品なので、演じる側としては「永遠にできるな」という印象で。「“あーでもない、こうでもない”とやりとりしている時間がずっと続けばいいのに」と思うぐらいです(笑)。
土井裕泰監督とは細かくお話しさせていただいています。今回、それぞれのキャラクターが完璧な人間ではないんです。もちろん完璧な人間なんてなかなかいないですが、それにしても欠落している部分が多いキャラクターたちなので(笑)。見ている方たちが不快にならないようなポイントを探るのは意識しています。
生方さんの脚本は、いろいろな読み方ができるんです。それくらい自由度が高い。言葉一つをとっても、どのニュアンスで言うか何パターンも考えられる。「てにをは」が入っているか入っていないかでも全く印象が変わってしまうんです。そのあんばいをどうするか、監督とはよく話し合っています。
セリフだけではなくて、咲子が送るメールの文面についてもお話しさせていただくこともあります。樹生役の中島さんも撮影現場で監督たちといろいろお話しされる方なので、そのお話を小耳に挟みながら、咲子というキャラクターを作り上げていっています。

■「中島さんからは毎日刺激をもらって、松山さんの隣ではぼーっとして(笑)」
――共演者の方々の印象についてもお聞かせください。まずは先ほどお話に出た樹生役の中島歩さんから。
中島さんは今まで会ったことがないタイプの俳優さんです。何でもざっくばらんにお話しされるので、撮影現場ではいつも新鮮な驚きをいただいています。
あと、わりと独り言が多い方なのですが、私の役も独り言がすごく多いので「あ、人ってこんな風に独り言を言うんだ」と参考にさせてもらっています(笑)。リハーサルの時は中島さんが流れを作ってくださることが多いので、そこでもいろいろ学ばせていただいています。とても興味深い方です。
――咲子の夫・充を演じる松山ケンイチさんについてはいかがでしょう?
松山さんは共演回数も多く、幼なじみみたいな感覚なので、隣でぼーっとしています(笑)。夫婦役で共演するのは初めてですが、いい意味で気を遣わずにお芝居ができていると思います。あと、作品について、似たような距離感で話せるのが楽しいです。
――充がオーナーを務める喫茶店の従業員・直人役の高橋文哉さん、樹生の妻・あずさ役の夏帆さんについての印象もお聞かせください。
高橋さんは、本当にしっかりした方。「どんな親御さんに育てられたらあんなにしっかりした子になるのだろう」と思ってしまうぐらいです(笑)。お芝居も明確で、みんなが頼りにしていると思います。頭が良くて、いろいろなものが見えているのでしょうね。
夏帆ちゃんとは、昔CMで共演したことはあるものの、作品でご一緒したことはないんです。だけど、なぜかずっと私は勝手に近い存在として捉えていて。CM撮影時は、お互いものすごい人見知りでほぼ話せなくて、ニコっとほほ笑み合うぐらいでしたが、今では2人とも人見知りを乗り越えました(笑)。
頼もしいし、ユーモアもあるし、大好きです。一緒にいると、リラックスするし、明るい気持ちになれます。夏帆ちゃんが出てくるとうれしくなるし、本当に素敵な俳優さんだなと思います。
――撮影現場の雰囲気はいかがですか?
中島さんからは毎日刺激をもらって、松山さんの隣ではぼーっとして(笑)。本当に皆さん面白い方たちばかりの撮影現場です。いろいろなタイプの方が集まっていて、飽きないといいますか。ずっとワクワクする感じが私の中にあります。
お芝居の中でもそうですし、撮影現場にいると「今日はどんな面白いことが起きるのだろう」という感覚がずっとあるので、最後まで楽しみきりたいなと思います。

■「この人はどんな人なのかと考えるときの根底が覆される作品」
――最後に、改めて本作品の魅力や今後の見どころについて教えてください。
“自分だったらどうしているか”“自分はどういうふうに人をジャッジしてきたのか”など、人と関係を築くときや、この人はどんな人なのか考えるときの根底が覆される作品です。
自分がするのは許せても、他人が同じことをしていたら疑ってしまう、みたいなことが今後どんどん出てきます。完璧ではない登場人物たちを見ながら「人というのはおかしなものだな」と感じて楽しんでいただけたらと思います。


