
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、マンガボックスで『退職代行切金さん ~社畜の非常口はこちらです~』を連載中の古河コビーさんが描く『マスコットやめたい』をピックアップ。
2026年4月29日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1.8万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、古河コビーさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
■ぬいぐるみ大好き男子が、“マスコット”扱いされる女子に願うこととは…

高校入学後、同じ吹奏楽部に入部して出会った“ぬいぐるみ大好き男子”北城と、マスコット的な可愛さで友達から愛される女子・ののちゃん。フルート奏者を希望した二人は、部活の時間の多くを一緒に過ごすことになり、友情が芽生えていく。
そんな中、二人はそれぞれが抱える苦しみを打ち明けることになる。北城は、過去のトラウマから毎日“死にたい”と思って過ごしていること。ののちゃんは、“マスコット扱いされているせいで、好きな人に恋愛対象として見てもらえない”ことだった。
そしてある日、ののちゃんが恋愛のため“脱マスコット”を宣言。しかし、北城は“マスコット”なままのののちゃんでいてほしいと願っていて――?
“ぬいぐるみ大好き男子”と“マスコットキャラ女子”が築いていく友情に、作品を最後まで見た読者からは「最後のページめっちゃ狂気的で良い」「不穏に終わる結末」などのコメントが寄せられた。
■作者・古河コビーさん「高校時代の友人をヒロインのモデルにしました」

――『マスコットやめたい』はどのような着想や経緯で誕生したのでしょうか?創作したきっかけや理由などをお教えください。
会社員として働いていた頃、仕事を辞めたいという気持ちを抱えていた時期に、コミティアの出張編集部へ持ち込むため、初めて同人誌を制作しようと思ったのがきっかけです。
開催まであまり時間がなかったため、「自分のよく知っている人をモデルにすれば描きやすいのでは」と考え、高校時代の友人をヒロインのモデルにしました。久しぶりにその友人へ電話をして思い出話をしていた際、「高校時代、私ってマスコットだったよね」という言葉がとても印象に残り、そこから物語が広がっていきました。
一方で、友人と話す中で、自分自身も学生時代に希死念慮を抱えていたことを思い出しました。そこで主人公には自分自身を重ね、希死念慮を抱える主人公と、「マスコット」として見られてきた少女との友情を描こうと考えました。
制作期間が限られていたこともあり、背伸びをして新しい題材を描くのではなく、自分が実際に感じてきた感情や、身近な人の経験をもとに作品を作り上げました。
――本作の中で、特にお気に入りのシーンやセリフを理由と合わせてお聞かせください。
お気に入りのシーンは、ののちゃんが珍妙なポーズでフルートを吹きながら主人公を励ます場面です。絵としても表情や動きが可愛く描けて、自分でも気に入っています。
ヒロインのののちゃんは高校時代の友人をモデルにしています。実際の友人も、周りを明るくするような愛嬌があって、私は「可愛くて面白い子だな」と感じていました。その印象が自然とののちゃんにも反映されていて、このシーンは特に彼女らしさが出せたと思います。
――北城がバッグにつけている黒いマスコットのキーホルダーについて、作中、そのキーホルダーのカットが度々出てくるのが印象的でした。“マスコット”は本作の重要なキーワードかと思いますが、キーホルダーのカットを複数箇所に盛り込んでいるのは、何か意味やこだわりがあるのでしょうか?
作品のテーマである「マスコット」と重なっているので意味があるように見えたかもしれませんが、実は特別な意味はありません。
あれは私がSNSのアイコンなどで使っている自画像的なキャラクターで、これまでも作品の中にこっそり登場させて遊んでいます。今回もその延長で登場させました。
――X(旧Twitter)の投稿には、多くの“いいね”やコメントが寄せられていました。続きを望む声も多く見受けられましたが、今回の反響への感想をお聞かせください。
たくさんの方に読んでいただき、とても嬉しかったです。
実はこの作品は、いつか連載にしたいと思って何度もプロットやネームを考えてきたのですが、なかなかうまくまとまらず、一度保留になっていました。
ですが、今回の反響を見て、「やっぱりこの子たちの物語を描きたい」という気持ちを改めて強く感じました。
現在は他の制作も進行しているため、すぐに取り組むのは難しいのですが、落ち着いたら改めて連載化に向けて考えていきたいと思っています。
――今後の展望・目標をお教えください。
まずは現在連載中の『退職代行切金さん ~社畜の非常口はこちらです~』を最後までしっかり描き切ることが一番の目標です。より多くの方に読んでいただき、楽しんでもらえる作品にしていきたいと思っています。
また、連載だけでなく、読み切りや同人誌なども含めて、これからもさまざまな作品を描き続けていきたいです。「この作品を読めて良かった」と思っていただけるような漫画を届けられるよう、これからも頑張ります。
――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
作品を通して、登場人物のことを少しでも好きになっていただけたら、とても嬉しいです。感想や応援の言葉は、いつも漫画を描く励みになっています。
これからも、一人でも多くの方に「このキャラクターが好き」と思っていただけるような作品を描いていきたいと思いますので、応援していただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。

