
よくないことが起きると「お守り」や「数珠」を身につける。その度に増えていくせいで、バッグにお守りの類がたくさん。しかし、それは本当にお守りなのだろうか?「お守りは、持ち主の前向きな姿勢があって初めて効果がある」という話を描いた、かんさび(@kansabi_kk)さんの「子狐の根付の話」に4万いいねがついている(2026年7月時点)。
■実体験がないからこそ、不思議な世界に惹かれるのかもしれない



作者のかんさびさんは、お守りをテーマにした物語を考えている際に、かつて働いていた天然石店での出来事を思い出したという。悪いことが起こるたびにお守りを買いに来る客の姿を見て、「それって悪いことを逆に忘れないんじゃないかな」と感じた経験から、本作「小狐の根付のお守り」を生み出したそうだ。
また、お守りは「持つ人がどのような姿勢で持つかによって影響力が違ってくる」と考えているというかんさびさん。ただ持っているだけで助けてもらえるものではなく、「自分が乗り越えたいものを意識できる戒めのようなものだと思っています」とも教えてくれた。
そうした思いから生まれたのが本作だ。たくさんのお守りや数珠を身につけた女性は、小狐の根付を購入した夜、夢に現れた小狐から「お前の願いは、不安を並べて身につけておくことだな」と告げられる。目覚めた彼女は、自分がお守りではなく、不安そのものを身につけていたことに気づき、装飾品を外す決意をする。不安との向き合い方を描いた物語が読者の共感を集めた。
一方、「物書きの不思議な話」シリーズは、すべて創作であると明かすかんさびさん。自身には霊感もなく、不思議な体験もほとんどないものの、「経験がないからこそ、不思議な世界に惹かれるのかもしれません」と語る。
民俗学や伝統を調べるなかで得た知識をもとに、不思議だけれど怖すぎない物語を紡ぎ続けているかんさびさんの作品をぜひ読んでみてほしい。
取材協力:かんさび(@kansabi_kk)
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