焚き火が原因の火事に注意! 安全なやり方を紹介

焚き火が原因の火事に注意! 安全なやり方を紹介


写真:PIXTA

アウトドアで楽しむ焚き火が人気です。しかし、焚き火は火事の原因にもなるので、安全に気をつけて行うことが大切です。

この記事では、焚き火のやり方と注意点を分かりやすく紹介します。

焚き火をする前にルールを確認

レジャーとしての焚き火は、周囲に迷惑をかけない場所で行うのが原則です。詳しく解説します。

野外焼却は原則禁止、ただし焚き火は例外

日本では、廃棄物を野外で燃やす行為が法律で禁止されています。ここでいう廃棄物の中には、伐採された木材も含まれています。

レジャーとしての焚き火は「周辺地域の生活環境に与える影響が軽微」であれば禁止の例外ですが、近隣から苦情が寄せられた場合には自治体や警察から指導を受けることがあります。住宅地で焚き火をする場合は自宅の敷地内であっても、近隣への十分な配慮が必要です。

河川敷や海岸は自治体のルールを確認

河川敷や海岸には、人に迷惑をかけない限り誰もが自由に使ってよいという「自由使用の原則」があります。

ただし、焚き火には火事や自然破壊のリスクがあるので、管理している自治体などが「禁止」または土の上で直接火を燃やす「直火禁止」などのルールを設けていることが多いです。焚き火が許可されているエリアでも、原状回復と灰の持ち帰りがマナーです。

山では土地の所有者の許可が必要

林野庁の情報によると、令和元年~令和5年の山火事の原因別出火件数でもっとも多いのが焚き火(32.6%)です。

国有林では、山火事を防ぐために指定された場所以外で火を使うことが禁止されています。国立公園などの自然公園内でも、焚き火は許可された場所でしか行うことができません。

その他の山で焚き火を行う場合も、土地の所有者の許可が必要です。

キャンプ場などで行うのが手軽で安全

焚き火は、キャンプ場などバーベキューや焚き火で火を使うことが許可されている施設で楽しむことが手軽かつ安全です。

水場や灰捨て場があり、その場で薪が購入でき、必要な道具をレンタルできる施設であれば、準備と後片付けがラクになります。

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安全に焚き火をするための道具と服装


写真:PIXTA

焚き火を安全に行うには、次のような道具が役立ちます。

<火ばさみ>
柄の長いトングのようなもので、火の着いた薪を動かすときや消火するときに使います。

<耐火手袋または綿の軍手>
熱いものを扱うときに手を保護します。ゴムの滑り止めがついた軍手やナイロンを使用した軍手は、熱で溶けることがあるため不向きです。

<焚き火台>
地面を熱から守り、炎が周囲に燃え広がることを防ぎます。キャンプ場に備え付けのかまどを使って焚き火ができる場合もあります。

<焚き火用の耐熱シート>
焚き火台の下に敷くことで、より手厚く地面を保護します。

<火消し壺>
消火や、灰の持ち帰りに使う専用の容器です。

<消火用のバケツ>
水を汲んで火の近くに置いておき、火事の危険があるときに使います。

<よく乾いた薪>
薪は、よく乾燥したものを使わないと不完全燃焼の原因となります。針葉樹のほうが火を着けやすく、広葉樹の方が長持ちします。

他にも、火をつけるためのガストーチ(ライター)や、薪を細く割るための鉈(なた)などが必要です。

土の上では焚き火台+耐熱シートが必須

直火は、周辺の植物や土の中の微生物を傷つける行為で、火災の原因にもなります。土の上で焚き火をするときは、耐熱シートを敷いた上に焚き火台を設置して、地面を熱から保護しましょう。

火の影響を受けにくい服装で

服装も重要です。ナイロンやポリエステルは熱に弱く、火の粉で穴が開くこともあるので、焚き火をするときには避けた方がよい素材です。アウトドアで火を使うときは、木綿やウールの長袖・長ズボンで手足を炎から守るのが基本とされてきました。

ただし、一概に化繊よりも天然素材が良いというわけではなく、アウトドアメーカーでは近年、難燃性の高い化学繊維を使用したウェアを販売しています。また、木綿でも薄くひらひらとしたデザインの服だと火が燃え移りやすく、危険です。

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配信元: 防災ニッポン