猛暑が続く季節、知らないうちに身体が熱っぽくなんとなく体調が悪いと感じた経験はありませんか?もしかするとそれは、熱中症の初期症状かもしれません。熱中症は重症化すると、意識を失ったり、亡くなったりすることもある危険な病気です。初期の段階で気がつき早急に対処することが重症化を防ぐカギになります。この記事では、熱中症による初期症状別の対処法についてわかりやすく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「熱中症の初期症状」はご存知ですか?初期症状のうち特に危険な症状も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
居倉 宏樹(医師)
は呼吸器内科、アレルギー、感染症、一般内科。日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会 総合内科専門医・指導医、肺がんCT検診認定医師。
熱中症による初期症状別の対処法

熱中症のめまいや立ちくらみにはどう対処すればよいですか?
熱中症になると、皮膚の血管が拡張し、血流が増加します。皮膚への血流が増加すると、全身を巡る血液の量(循環血液量)が減少します。体内の循環血液量が減少すると、脳を含む体内の重要臓器への血流が減少します。それにより、めまい、立ちくらみが生じます。
そのため、脳への血流を少しでも戻すことが、熱中症によるめまいや立ちくらみを改善するために重要です。方法としては、仰向けに寝かせて足を高くして安静にし、涼しい場所で冷却と水分補給を行ってください。意識がある場合は経口補水液を少し飲ませ、体内の水分量を確保しましょう。
熱中症のだるさを軽減する方法を教えてください
熱中症では、上述したような体内の循環血液量の減少が起こることが原因でだるさが出現します。だるさが強い場合は、無理に動くと転倒などのリスクも上がるため、可能な限り涼しい場所で横になってしばらく休むことが大切です。冷却と水分、塩分の補給を行い、回復を待ちましょう。だるさが数時間以上続く場合や、意識が朦朧としている場合は緊急で医療機関を受診しましょう。
熱中症の頭痛が治らない場合はどうすればよいですか?
熱中症による頭痛が治らない場合は、深部体温が高いままである、脱水や電解質不足が続いている、脳血流が不足している、などの可能性があります。まずは以下のことを見直しましょう。
十分に身体を冷やせているか
水分と電解質をきちんと補給できているか
身体に負荷のかからない体勢で休めているか
熱中症は初期段階で適切な対応を行うことができると、症状は軽快に向かいますが、重症化すると、症状は一時的なものではなく、後遺症を残すことが報告されています。熱中症では脳への血流が低下すると述べましたが、この状態は、細胞レベルでの障害を起こす原因となります。適切な対応を行っても改善しない場合は、医師による評価や治療が必要です。
編集部まとめ

熱中症の初期症状は一見軽く見えるかもしれませんが、放置すると短時間で重症化するおそれがあります。特にだるさ、めまい、頭痛、吐き気などは、体温調節機能が乱れ始めているサインであり、早期の対応がとても重要です。子どもや高齢者は体温調節機能が低いため、症状の進行が早く、また、高齢者は加えて症状への気付きが遅れる傾向にあるため、周囲の気付きと予防意識が命を守るカギとなります。こまめな水分補給、暑さ対策、適度な休息を心がけ、症状が現れたら様子を見るのではなく、すぐに対処することが大切です。
参考文献
熱中症診療ガイドライン 2024
熱中症環境保健マニュアル 2022 – 環境省熱中症予防情報サイト
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