間サエコさんは、小学6年生の娘・姫子ちゃんを育てるワーママ。困っている人を見ると放っておけず、つい手を出してしまいます。
ある日、電車内で赤ちゃん連れの親子を見かけたサエコさんは、赤ちゃんの頭を見て「絶壁だね」と指摘。そして、断りもせず「押せば治る」と赤ちゃんの頭を押しつぶすようにつかんだことで、母親の怒りを買ってしまいます。ところがサエコさんは意に介さず、いいことをしたと思っていました。その日の昼休み、同僚の茂木さんと訪れた定食屋で、泣き叫ぶ男の子と困っている母親を目にすると、席を立ち、強引に男の子のお世話を始めます。男の子が素直に食事を始めると、母親は頭を下げながら、「尊敬します」とひと言。気を良くしたサエコさんは、母親に育児のアドバイスを始めたのです。
サエコさんに「ママが怖い顔してたら食べたくなくなる」と言われ、母親は自分の育児を否定されたように感じ、今にも泣き出しそうな表情に。そこへ、様子を見守っていた同僚の茂木さんが駆け寄り……。
垣間見える母親の努力の数々









様子を気にかけていた茂木さんは「失礼だけど」と気遣うようにそっと近づき、母親のバッグに子ども用の絵本やおもちゃが入っていることや、子どもの洋服が清潔に整えられていること、さらに母親自身も身だしなみを整えていることに目を向けます。
「きっとすごく頑張り屋さんなんだろうなと、お母さん見て思ったの」と、その努力に気づき、母親へやさしく声をかけました。
母親は自分の頑張りを認めてもらえたことへの安堵から、サエコさんにアドバイスをされたときとはまったく違う涙を流すのでした。
一見すると困っているように見える場面でも、その裏では保護者なりにさまざまな工夫や準備を重ね、精いっぱい育児と向き合っていることも少なくありません。その努力や背景は、外からは見にくいものです。
だからこそ、目の前の出来事だけで決めつけるのではなく、「見えていない事情があるかもしれない」と想像し、端々に見え隠れする頑張りや気づかいを察することも大切です。相手の背景に思いを巡らせることが、本当の思いやりにつながるのかもしれませんね。
著者:マンガ家・イラストレーター ミント
