<試写室>「名探偵のままでいて」ミステリーだけではない、祖父と孫が紡ぐ温かな物語

<試写室>「名探偵のままでいて」ミステリーだけではない、祖父と孫が紡ぐ温かな物語

「名探偵のままでいて」第1話より
「名探偵のままでいて」第1話より / (C)テレビ朝日

吉川愛が主演を務め、奥田瑛二と50歳差の“異色バディ”を演じる金曜ナイトドラマ「名探偵のままでいて」(毎週金曜夜11:15-0:15、テレビ朝日系※一部地域を除く/TELASAにて配信)が、7月17日(金)より放送スタートする。このたびWEBザテレビジョンでは、第1話を事前に視聴。オリジナルレビューで魅力を紹介する。

■吉川愛、初映像化作品でテレビ朝日連続ドラマで初主演

本作は、「このミステリーがすごい!」(略称「このミス」)大賞で第21回大賞に輝いた、小西マサテル氏の同名小説が原作。シリーズ累計発行部数30万部を突破した小説を、テレビ朝日が初めて映像化する。

物語の主人公は、ミステリー好きの小学校教諭・楓。彼女にミステリーの面白さを教えてくれたのは、元小学校校長で、亡き両親の代わりに自分を育ててくれた大好きな“祖父”。しかし、71歳の今、祖父は“レビー小体型認知症”を患い、彼の目には時折、現実のものではない不思議な光景が映っているようだった。

そんなある日、孫娘の楓は身の回りで起きた不思議な事件について話したことをきっかけに、祖父の思いがけない変化に気付く。ミステリーの話題になると、祖父はまるで目の前に真相が浮かび上がるかのように、理路整然、あざやかに謎をひも解いていく。

ほかの人には見えない世界を目に宿す彼だからこそ、見えてくる物語があるかのようだ。その姿は、論理を積み重ねて真実を導く“名探偵”そのもの。以来、楓は日々舞い込んでくる日常ミステリーや事件を祖父のもとへ持ち込むようになり、2人はさまざまな謎に挑んでいく。

テレビ朝日連続ドラマ初主演を務める吉川が主人公・楓役を、奥田が“祖父”役を務めるほか、作品のピュアな三角関係を担う小劇団の座長兼俳優・四季を綱啓永、楓と同じ学校に通う教師・岩田を高松アロハ(超特急)が演じる。

また、恒松祐里が楓と大学時代の同期で良き友人の美咲役、吉沢悠が“ある事件”を担当したことで楓たちと出会う県警刑事部捜査一課の刑事・我妻役で出演する。

■第1話あらすじ
「名探偵のままでいて」第1話より
「名探偵のままでいて」第1話より / (C)テレビ朝日


27歳の楓(吉川愛)は、元小学校校長で無類のミステリー好きである祖父(奥田瑛二)の影響で“ミステリーオタク”となった小学校教諭。深い愛情をもって自分を育ててくれた大好きな祖父は、近年、レビー小体型認知症を発症。時折、現実のものではない不思議な光景が見えているようだった。

しかし、ひょんなことから日常で巻き起こったミステリアスな出来事の謎解きを持ちかけると、祖父は目の前に真相が浮かび上がっているかのように、あざやかに謎をひも解いてみせたのだ。その姿は、さながら、卓越した洞察力と論理的思考で難事件を次々と解決する“名探偵”のよう。以来、楓は日常の謎や小さな事件を祖父のもとへ持ち込むようになっていた。

そんなある日、楓はミステリー好きであることを見込まれ、同僚教師・岩田(高松アロハ)から相談を持ちかけられる。岩田の高校の後輩で小さな劇団を率いる四季(綱啓永)が、とんでもない事件に巻き込まれたというのだ。

何と四季は前夜、訪れた居酒屋のトイレで遺体を発見。一緒に酒を飲んでいた劇団仲間が容疑者として警察に連行されてしまったという。しかし彼は警察に対し、なぜか黙秘を貫き、一切の証言を拒否しているらしい。

岩田によって引き合わされた四季はミステリー談義では楓と衝突したものの、「あいつはとても人を殺せるようなやつじゃない」と仲間の無実を信じ、苦悩していた。その姿を見た楓は「会わせたい人がいるの…」と切り出し、2人を祖父の家に連れて行く。

「名探偵のままでいて」第1話より
「名探偵のままでいて」第1話より / (C)テレビ朝日

■事件だけでは終わらない、人を思う気持ちが胸に残る

冒頭から印象的なのは、本作が事件そのものよりも、その先にいる“人”へ丁寧に目を向けていることだ。

第1話で描かれる事件も、単に真相を追うだけでは終わらない。仲間を信じたいという思い、誰かを守りたいという気持ち、それぞれの立場から生まれる葛藤が積み重なり、謎解きと同じくらい登場人物たちの感情が物語を動かしていく。

祖父が導き出す推理は鮮やかだが、その言葉には事件を解決するためだけではない優しさも感じられる。楓が祖父のもとへ事件を持ち込む理由も、ただ答えを知りたいからではない。2人が積み重ねてきた時間や信頼関係が伝わってくるからこそ、この作品ならではの温かさが生まれている。

■謎解きの爽快感と切なさが共存する
「名探偵のままでいて」第1話より
「名探偵のままでいて」第1話より / (C)テレビ朝日


もちろん、ミステリーとしての面白さも十分。少しずつ情報がつながり、真相へ近づいていく展開には自然と引き込まれ、祖父が真実へたどり着く場面は思わず見入ってしまう。

一方で、祖父はレビー小体型認知症を患っており、現実ではないものが見えることもある。その設定があるからこそ、名探偵として鮮やかに推理する姿との対比が切なさを生み、単なる“謎解きドラマ”では終わらない余韻を残してくれる。

ミステリー好きはもちろん、人間ドラマが好きな人にも届く一作。事件の真相だけでなく、その先にある人の思いにもぜひ注目してほしい。

「名探偵のままでいて」第1話は、7月17日(金)夜11:15よりテレビ朝日系にて放送。

※高松アロハの高、正しくは「はしごだか」

◆文=白瀬あめり

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