「今は上げ膳据え膳」と言いつつ、自宅で暮らしている前提で話す母に困惑 #母の認知症介護日記 329

「今は上げ膳据え膳」と言いつつ、自宅で暮らしている前提で話す母に困惑 #母の認知症介護日記 329

アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。

施設で暮らす母・あーちゃんは、お風呂に入らせてもらうために、姉・なーにゃんの家へと向かいました。「足が冷える」と言い、靴下ともこもこのブーツを履いて行ったのですが、お風呂を終えるころには自分の足元を見て「今日、この靴下履いてきたっけ?」と聞いてくる始末。なーにゃんから靴下を履いてきたことを教えてもらうと、今度はちゅうちょなく、なーにゃんのハイヒールを履き始めました……。あーちゃんの中では、「自分の靴=ハイヒール」というイメージを持っているようで、もし今も自宅に住んでいたら、あーちゃんはいまだにハイヒールを履いて出かけていたのだろうか……? と、ワフウフさんはおそろしいことを考えていました。

施設長のお仕事とは…?

今のあーちゃんは、慣れた場所に出かけていても、もう自分がどこにいるのかわからなくなっています。それでも、自分が知っている場所だったのにわからないという認識はあるようで、「私って昔から本当にひどい方向音痴なのよ」と、なんとかごまかそうとしていました。そんな状態で迎えた介護認定の日。あーちゃんはとても頑張っていて、ちゃんと答えられた質問もあったのですが、施設で過ごしている期間を聞かれて、本当は7カ月のところ「3年くらいだったかしら」と答えていました……。記憶に関する質問にはひとつも答えられず、もう記憶するのは難しい状態なのだと、ワフウフさんは改めて思っていました。

母の認知症介護日記/ワフウフ

先日、あーちゃんと一緒にいるときに、お友だちへのプレゼントを買ったなーにゃん。中にはそれなりの価格のハンドクリームが入っていました。

母の認知症介護日記/ワフウフ

それを見たあーちゃんは、「ずいぶんいいお値段するのね」とひと言。さらに、自分は近所のスーパーで買ったお手ごろ価格のものを使っていると言います。

母の認知症介護日記/ワフウフ

たしかに、以前のあーちゃんは乾燥によるひび割れがあり、よくハンドクリームを使っていましたが、自宅を出て施設に入所したときには持ってきませんでした。

母の認知症介護日記/ワフウフ

今は使っていないことを確認しても、使っていると言って手を見せてきます。

母の認知症介護日記/ワフウフ

今は炊事をしなくなって、手の乾燥はひどくないため、ハンドクリームは使っていないことを姉妹で伝えると……。

母の認知症介護日記/ワフウフ

ハッとして「今は上げ膳据え膳だものね」と言いだすあーちゃん。でも、さっきまで話していた近所のスーパーは、自宅の近くにあるスーパー。あーちゃんはいまだに、自宅で暮らしている前提でなんでも話しているのです。

母の認知症介護日記/ワフウフ

そうかと思えば、介護認定のときに認定員さんに「3年くらい」施設で暮らしていると話していて……。施設の生活に慣れているのかどうか、謎のままです。

母の認知症介護日記/ワフウフ

毎週水曜日の午後は、施設で看護師さんにインスリン注射をしてもらっているあーちゃん。

母の認知症介護日記/ワフウフ

先日、たまたま注射の準備をしている様子をなーにゃんが目にしたのですが、なんとそこには施設長の姿が……。

母の認知症介護日記/ワフウフ

看護師さんが3人いるのに、準備は施設長……?

母の認知症介護日記/ワフウフ

なんだか、施設内の力関係を見てしまったような気がします……。

母の認知症介護日記/ワフウフ

以前、私たち姉妹が施設の訪問医や看護師さんと険悪な雰囲気になったとき、積極的に間に入ってくれた施設長。とても純朴でいい方です。

母の認知症介護日記/ワフウフ

施設長が見学者のご家族にお茶を運んでいる姿を見たこともあり、もう少し施設長を立ててあげればいいのに……なんて思ってしまいました。

先日、あーちゃんと一緒にいるときに、なーにゃんがお友だちへのプレゼントを買っていました。その中に、それなりのお値段のハンドクリームがあることに気付いたあーちゃんは「ずいぶんいいお値段するのねえ」とつぶやき、自分はお手ごろ価格のものを使っていると言います。たしかに、あーちゃんは以前、乾燥で手がひび割れてしまうのでよくハンドクリームを使っていたのですが、家を出て施設に入所したときに持ってきた記憶がありません。

そこで私たち姉妹が、今はハンドクリームを使っていないことと、炊事をしなくなったことで、手の乾燥も和らいでいることを話すと「そうよね。今は上げ膳据え膳だものね」とのこと。ちなみに、あーちゃんがお手ごろ価格のハンドクリームを買っていると話した場所は、自宅近くのスーパーで、いまだに何を話すにしても、自宅で生活を続けているという前提で話します。そのわりには、介護認定の認定員に施設で暮らしている期間を「3年くらい」と答えたりして、施設での生活に慣れているのかどうかが謎のままです。

あーちゃんは、毎週水曜日の午後に施設内で看護師さんにインスリン注射をしてもらっているのですが、先日なーにゃんがたまたま注射の準備をしている様子を目にしました。すると、準備をしていたのは看護師さんではなく、まさかの施設長……! 看護師さんが3人いるのに、注射の準備は施設長の仕事なの……!? と、なーにゃんは驚きを隠せません。他にも、施設長が見学者の家族にお茶を運んでいる姿を見たこともあり、施設内の力関係を見たような気がします……。

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会話が成立しなかったり、話すことがコロコロと変わってしまったりすると、戸惑いますよね。それでも、その日の言葉や記憶は、あーちゃんなりの「今」の世界だと思います。正解を探すよりも、穏やかな時間を一緒に過ごせたら、それで十分なのかもしれませんね。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

著者/ワフウフ
昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。 2023年4月、書籍「アルツフルデイズ 笑いと涙の認知症介護」発売。

配信元: 介護カレンダー

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