
「今宵、町寿司で市川右團次と小粋な一献」のシーズン2が、7月18日(土)にBSテレ東でスタートする。高級店でもチェーン店でもなく、地元で長年愛されている町のお寿司屋さん。一見入りづらそうでも、そこには独自の流儀を貫く大将と店を支える常連客の人情物語がある。そんな“町寿司”の店を歌舞伎俳優・市川右團次が訪れ、酒を酌み交わしながら食事と会話を通して町寿司に息づく人生と魅力を紐解いていく。2026年1月から3月にかけて全12回で放送された同番組が、7月からシーズン2をスタートすることとなった。WEBザテレビジョンは町寿司での収録直後、市川右團次にインタビューを実施。当番組の魅力、そして番組の根幹にある“町寿司”の魅力について改めて語ってもらった。
■「板長によってお店の雰囲気も違いますから、毎回違う雰囲気で、新鮮でした」
――シーズン1も大好評でした。
右團次:ありがたいですね。僕のお客さんも見てくださってる人が多くて、番組を見た感想を直接聞かせていただいています。
――昔から“町寿司”が好きな右團次さんにしてみれば、とても楽しい番組で収録も楽しかったのではないでしょうか。
右團次:いやぁ、本当に楽しかったです(笑)。おっしゃるとおり町寿司は昔から好きですし、12回があっという間でしたね。
――訪れる店の雰囲気もそれぞれ大きく違いますよね。
右團次:やっぱり町寿司は板長によって、お店の雰囲気も違いますから。毎回違う雰囲気で新鮮でしたね。女性だけの板さんというお店もありました。
――店や板長の歴史を伺うのも、同番組の醍醐味の1つです。
右團次:そうなんです。地元の方に愛されて、長く続けてこられてるお店も多くて。でも町寿司に限った話ではないのですが、後継者・跡継ぎについて悩まれているお店も多いんですよ。跡継ぎがいらっしゃるお店もありますが、「もう、当代で閉めるんです」というところもあったり。これに関しては難しい問題ですね。
――寿司屋を含めて、職人の世界は特に後継者問題がお店の存続に影響しますからね。
右團次:シーズン1で伺った店で、後継者のいる店って何軒くらいあったかな…。半分もなかったと思いますよ。もしこの番組を見て「寿司職人になりたい」とか「町寿司に興味を持った」という若い方がいれば、うれしいなとは思います。後継者がいないとか少ないからといって、すぐに途絶えてしまうことはないと思いますけどね。
歌舞伎の世界でもそうですけど、私自身、80年ほど受け継がれていなかった名前(市川右團次)を現在受け継いでいるわけですから。そういう意味では、同じように全く途絶えていくものではないだろうなと。
しかしお客さんを含めて、やっぱりみなさんすごくお店を大切にされているのは伝わってきました。だからどのお店も、すごく落ち着く雰囲気を感じたのは覚えています。僕自身、学生時代にも近くの寿司屋に行ったりして、そこの大将と仲良くさせていただいたりしました。だから懐かしい思い出がよみがえってくる感じもありましたし、番組を通して改めて“町寿司”を、お寿司を身近に感じることができましたね。
■「町寿司の魅力の一つとして、“安価である”ということが言える」
――季節によって違うかもしれませんが、好きな寿司ネタは何ですか?
右團次:割と好きなのは貝類かな。特にこれからはアワビがおいしくなってくるから、また常連客さんからご馳走にならなきゃ(笑)。
――アワビは高価なネタですからね(笑)。
右團次:そうそう。町寿司の魅力の1つとして、“安価である”ということが言えると思うんです。高級な寿司屋だとコースとかセットはお酒抜きで4万円とか5万円とか、それ以上のところもありますよね。
でも町寿司は、比較的安価でいただけるものが多いのもいいところかなと。ただ“時価”って書かれていたら「どうしようかな?」って考えちゃうところも、町寿司の良さだと思っています。
――“時価”のネタは頼んでみたいけど、なかなか手が出しづらいですね…。
右團次:学生時代とか若い頃だと“時価”なんてネタは手を出しづらいですよね。僕も「今日は師匠と一緒だから」という時に「あなたも食べさない」と言ってもらっていただいたりしてね(笑)。そんな体験を経て“大人の仲間入り”ができた可能性もあるかなって。
でも安価なものが多いから、自分で選んで食べられるのが町寿司の良さ。“たまに高いネタも食べられる”というのも、楽しみの1つだと思います。
――若い頃にそういう経験をされると、自分が上になった時に若い人に「今日は頼んでいいぞ」みたいな。
右團次:いや、なかなかしないんですけどね(笑)。あ、でもシーズン1の最終回は早稲田の方のお店で、うちの倅(二代目・市川右近)と一緒に行ったんですよ。まだ年齢的にも自分で選んで好きなものを食べられる寿司屋に入ったことがなくて。
普段、家族で行ってもコースで頼んだりしますし、基本は回転寿司が好きなんですよ。だから町寿司でいただいた寿司には、「めちゃくちゃおいしかった」とすごく喜んでました。町寿司の良さに目覚めた感じがありましたね。
――いい経験をされたみたいで。
右團次:大人への道、という感じでしょうか(笑)。
■「見ていただく方も、気楽に見てもらえれば」
――シーズン2が7月18日(土)からスタートします。もう収録も始まっているということですが、シーズン2を楽しみにしていた方、そしてこれから見てみようかなと思っている方に見どころを含めたメッセージをお願いします。
右團次:シーズン1を見てくださった方はもうわかってるかと思いますが、町寿司で食べたり呑んだりするのって楽しいんですよ。僕自身もすごく楽しんでますし、2本撮りの2本目だとベロベロの時もあって…。家で家族と一緒に見ていると「もうパパ酔っ払ってるよね。これ2本目でしょう」なんて言われたりしています(笑)。ですから見ていただく方も、気楽に見てもらえればと思いますね。
高級店とチェーン店の間にあるのが“町寿司”。ちょっと入りづらいなぁと思っている人も、この番組を見れば「行ってみようかな」と思ってもらいやすいんじゃないかと。実際、シーズン1で放送されたお店に、番組を見た方が訪れたという話も聞いております。
かく言う自分も町寿司のお店をいろいろ知ってるわけではないので、番組スタッフの方が見つけてくれたお店に行くのをすごく楽しみにしています。シーズン2もいろんなお店や板さんたちに出会っていきますので、楽しみにしていてください。
◆取材・文=田中隆信

