親友の依頼で運んだ木箱にまさかの死体が…衝撃的な幕開けと容疑者たちの過去から紐解かれる真相に息を吞む<命を懸けし者たち>

親友の依頼で運んだ木箱にまさかの死体が…衝撃的な幕開けと容疑者たちの過去から紐解かれる真相に息を吞む<命を懸けし者たち>

「命を懸けし者たち」がチャンネル銀河にて7月21日(火)より日本初放送
「命を懸けし者たち」がチャンネル銀河にて7月21日(火)より日本初放送 / (C) Daylight Entertainment CO.,LTD

親友の依頼で運び出した木箱には、あろうことか当の親友の死体が入っていた…そんな衝撃の展開で幕を開ける中国ドラマ「命を懸けし者たち」(毎週月~金曜朝9:30-10:30)がCS放送・チャンネル銀河にて7月21日(火)より日本初放送を開始する。中国ドラマというと豪華絢爛な時代劇やファンタジー時代劇の印象が強いかもしれないが、現代劇にも見ごたえのある骨太な作品は多い。本作はそうした中の一作で、現代と過去のシーンを行き来しながら、連鎖殺人事件の真相を紐解いていく社会派サスペンスだ。犯罪に関わった男女3人の複雑な関係性と苦く切ない過去の傷が、観る者全ての心にビターな後味を残していく。

■木箱に入っていたのは変わり果てた姿の親友だった

親友の曹小軍(ツァオ・シャオジュン/バイ・ユーファン)から自宅にある木箱を山頂の廃小屋に運んでほしいと頼まれた倪向東(ニー・シャンドン/ホアン・シュエン)。運び終えたことを小軍に報告しようと電話をかけると、なぜか着信音は箱の中から聞こえてくる。恐る恐る箱を開けると、そこには外ならぬ小軍の死体が入っていた。

同じ頃、小軍の住む集合住宅の一室の排水管から、毛髪と耳の一部が発見された。バラバラ殺人事件と見られる状況を受けて、ベテラン刑事の孟朝(モン・チャオ/ジャン・ジョーホワ)は新人刑事・童浩(トン・ハオ/シュー・アオジュン)と共に捜査に乗り出す。本作は、そんなショッキングな展開で幕を開ける。

曹小軍の妻・呉細妹(ウー・シーメイ/リー・ゴンシー)の様子に不審さを感じた孟朝は、取り調べを開始。呉細妹は倪向東との関係や難病に侵された息子のことなどを話すが、その中には腑に落ちない点がいくつもあった。孟朝は徹底的に呉細妹と向き合い、やがて呉細妹と倪向東、曹小軍の隠された過去と、一連の事件の真相に迫っていく。
親友の自宅から木箱を運び出す倪向東。箱にはあろうことか、当の親友の死体が入っていた
親友の自宅から木箱を運び出す倪向東。箱にはあろうことか、当の親友の死体が入っていた / (C) Daylight Entertainment CO.,LTD


■3人の男女の葛藤と苦悩が胸に迫る回想パート

物語は孟朝ら警察の捜査や倪向東の動向を追う現代パートと、呉細妹、倪向東、曹小軍の過去を描く回想パートを織り交ぜたザッピング形式で進んでいく。呉細妹は孟朝の取り調べに対し虚実混じった証言をするのだが、回想パートでは事件に関わる呉細妹ら3人のリアルが描かれるため、2つのパートを照らし合わせることでおのずと事件の真相が見えてくる。

大きな見どころは、呉細妹の生い立ちから始まる回想パートだ。とりわけ印象的なのが、呉細妹の過酷な境遇だ。貧しい村に生まれた彼女は、家を助けるために年上の男に嫁がされ、激しい暴力と罵詈雑言に晒された挙げ句、夫を殺して村を飛び出す。男尊女卑がまかり通る閉鎖的な村と家の息苦しさ、呉細妹の深い苦悩に、視聴後はしばし放心してしまった。
過酷な境遇で生きてきた呉細妹は、倪向東との恋に光を見出す
過酷な境遇で生きてきた呉細妹は、倪向東との恋に光を見出す / (C) Daylight Entertainment CO.,LTD


その後、呉細妹は新天地となる売春街でチンピラまがいの青年・倪向東とその弟分・曹小軍と出会うのだが、彼ら3人が織り成す青春もまた痛々しい。平凡な幸せを求めても、どこかで歯車が嚙み合わず、彼らの人生が狂わされていくさまが胸に迫る。当初は容疑者としてしか見られなかった者たちも、葛藤や苦しみを抱きながら“命懸け”で生きてきた一人の人間なのだ。回想パートを観るにつけ、そんな当たり前のことを思い知らされる。

社会派サスペンスの本作だが、回想パートも含め、重厚な人間ドラマとしても圧巻のクオリティーを見せてくれる。どこか湿度を帯び、明るさを抑えた映像も、人間ドラマにリアリティーを与える立役者になっている。

■最年少で名誉ある賞を獲得したリー・ゴンシーの名演が光る
粗暴な夫との生活に疲れ切った表情から、自由を手に入れ生き生きとした表情まで、繊細に演じ上げるリー・ゴンシーの名演に注目
粗暴な夫との生活に疲れ切った表情から、自由を手に入れ生き生きとした表情まで、繊細に演じ上げるリー・ゴンシーの名演に注目 / (C) Daylight Entertainment CO.,LTD


3人の容疑者たちを演じる俳優の演技も見もので、特に呉細妹役のリー・ゴンシーには目を見張る。不幸を煮詰めたような境遇で見せる、虚しさと憤りをたたえた表情。新天地での生活と倪向東との恋に光を見て、こぼれる笑顔と少し垢抜けたルックス。孟朝の取り調べ中、何かを隠すように泳ぐ視線。こうした仕草や表情の一つ一つが実にリアルで、憑依型とはこういうことを言うのだろう。

それもそのはずで、リー・ゴンシーは中国映画界で最高の名誉とされる「中国電影金鶏奨」で、史上最年少となる24歳で最優秀主演女優賞を獲得した気鋭の若手俳優だ。本作では汗と血にまみれた体当たりの演技で、観る者を圧倒してくれる。

現代パートで「倪向東」として生きる朴訥で影のある男を演じるホアン・シュエンも素晴らしい。時代劇「風起洛陽~神都に翔ける蒼き炎~」や日中合同制作の映画「空海-KU-KAI-美しき王妃の謎」などの人気作にも出演してきた彼の、静かに感情を抑えた演技は折り紙付きだ。
どこか憂いを帯びた表情が似合うベテラン俳優、ホアン・シュエン
どこか憂いを帯びた表情が似合うベテラン俳優、ホアン・シュエン / (C) Daylight Entertainment CO.,LTD


さらに、曹小軍役のバイ・ユーファンは、軍に入隊した異色の経歴を持つ人気俳優。呉細妹に想いを寄せながらも、兄貴分との恋を見守り、いざというときには呉細妹を支えようとする曹小軍を、瑞々しく魅力的に演じている。損な役目もいとわない曹小軍は時にお人好しにも見え、そこも憎めないキャラクターだ。

真相を紐解いていく面白さと、倪向東らが闇に飲み込まれていくやるせなさが交錯し、観終えたあとにほろ苦い余韻を残す本作。中盤以降には予測のつかない展開が待ち受けており、驚きのままに一気見してしまうこと請け合いだ。30話超えの作品も多い中国ドラマだが、本作は16話構成とコンパクトで、華流初心者にもとっつきやすい。この機に、実力派俳優が顔を並べる上質なサスペンスを味わってもらいたい。

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