夫の三雄さんと長男夫婦の誠一さん、まゆみさんと暮らす幸子さんは、田舎で平凡ながらも幸せな日々を送っていましたが、外資系企業勤めでエリート至上主義の次男修二さんと恵理子さん夫婦が妊娠を機に近くに引っ越してきたことから平穏な毎日が崩れ始めます。次男夫婦は優秀で高収入な自分たちの方が偉いという考えで、何かにつけて実家の家族を見下します。初めは妊娠中の恵理子さんを気遣って頼まれた家事などを手伝っていた幸子さんとまゆみさんは、遠慮も感謝もない態度に耐えかねて次男夫婦と距離を置くことに。恵理子さんがハルトくんを出産してからも疎遠なままでしたが、2ヶ月後のある朝、ハルトくんを1日だけ預かってほしいと修二さんが訪ねて来ます。しかし、修二さんと恵理子さんは「海外で仕事をしたいから数年実家で育ててほしい」とそのままハルトくんを置いて海外へ行ってしまいました。数年後、5歳になったハルトくんは誠一さんとまゆみさんを自分の両親と認識。そんなある日、次男夫婦が突然帰国しハルトくんを返してほしいと言い出します。5年間ほぼ連絡もしてこなかったにも関わらず、お金さえあればハルトくんを幸せにできると信じて疑わない2人。ハルトくんとの関係が築けていないことを指摘すると、ひとまずは帰って行きました。2人が帰った後、このままの状態がハルトくんにとって一番いいとは思うものの、実の親が本気で取り返しに来たら拒否するのは難しいかもしれないと頭を抱えるまゆみさんたち。ハルトくんは、突然現れて本当の親だと名乗ってきた修二さんと恵理子さんの言葉に不安になっており、まゆみさんは「ママとパパはハルのママとパパじゃないの?」と混乱するハルトくんに、恵理子さんがハルトくんを産んだ人だと伝えました。「ママじゃないと嫌だ」と泣くハルトくんをまゆみさんと誠一さんは強く抱きしめます。
息子と親しくなりたい

修二と恵理子さんが帰った後、ハルトは「ママは、ハルのママじゃないの?パパも違うの?」と不安がり、まゆみちゃんが意を決してハルトを産んだのは恵理子さんだと伝えると、「ママじゃないと嫌だ」と泣き出したハルト。ハルトとまゆみちゃんと誠一は泣きながら抱き合い、そんな3人の姿を見て私も夫も、ハルトにとってはまゆみちゃんと一緒にいるのが一番いいと強く思いました。でも、それが正しいのか迷う部分もあります。
それからしばらく経ったある日。「こ、こんにちは」と少し気まずそうに修二が訪ねてきました。突然の訪問に驚きつつ、またハルトを取り返しに来たのかと身構えながら「何しに来たの。ひとり?」と聞くと、

修二は「兄さんに、ハルトがサッカーを始めたって聞いて」と言ってサッカーボールを取り出しました。修二が誠一と連絡を取り合っていたなんて知りませんでした。

「少しでも、ハルトと親しくなろうと思って」と少し照れたような戸惑ったような顔をする修二は、以前の修二とは少し違って見えます。「それはいいことかもしれないけど、恵理子さんは?」と聞くと、「恵理子は、ハルトが自分を受け入れないことが理解できないみたいで」と困ったように言いました。それを聞いた私は、恵理子さんのことだから、こんな有能な自分なら好かれて当然と思ってそうだものねと妙に納得してしまいました。

そこへまゆみちゃんがやってきました。修二が「まゆみさん。ハルトのことも、今までの態度も、本当に申し訳なかった」と頭を下げると、まゆみちゃんは「いえ、私たちこそ、幸せな時間を過ごさせてもらって」と涙ぐみます。すると、まゆみちゃんの涙を見た修二は「誤解しないでほしい。ハルトのことを、奪い返しに来たわけじゃない。ちゃんと話したくて来たんだ」と焦ったように言いました。

「今すぐハルトをどうこうすることは、もう考えていない。ただ、ハルトと親しくなる時間を持ちたいんだ」と微笑む修二はどこかすっきりした表情をしています。すると、いつのまにか玄関に出てきていた誠一が「それは歓迎するよ。じゃあせっかくボールがあるんだ。サッカーしに行くか。ハルト、公園行くぞ」と言い、ハルトも「やったー!」と笑顔で喜びます。今まで仕事優先でハルトのことを私たちに任せきりにしていた修二ですが、修二なりにこれからハルトと関係を築いていこうという気持ちを持ち始めたようです。すべてが解決したわけではありませんが、ひとまず、修二たちがすぐにハルトを取り返したりはしないとわかりホッとしました。
本当の親だと名乗り出れば無条件でハルトくんと親子になれると思っていた様子の修二さんですが、ハルトくんに拒絶され、親子関係を築くのはそんな簡単なことではないとようやく理解したようですね。恵理子さんは相変わらずのようですが、修二さんだけでも自分の考えを見つめ直してくれて良かったです。
※ストーリーは実話を元にしたフィクションです。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:船井 秋 編集:石野スズ
作画:めめ

