長女が5歳、次女が3歳半のころ。久しぶりに夫に子どもたちを預け、ひとりで映画館へ足を運びました。人気作品のため事前に指定席を予約し、「やっと一息ついて、ゆっくり映画を楽しめる」と心待ちにしていた、まさにそのとき。上映直前に見知らぬ女性から突然声をかけられ、私は頭が真っ白になってしまったのです……。
久々のひとり映画を満喫しようとしたら…
映画が始まる数分前のことでした。指定席に座って上映開始を待っていると、近くにいた20代くらいの女性が遠慮がちに、「突然すみません。その席は○列○番でしょうか」と尋ねてきました。私が「はい」と答えると、女性は「実は先ほどフリマサイトで、その席が出品されているのを見つけて……」と言うのです。あまりにも突然のことで、最初は意味が理解できませんでした。
女性はこのあと上映される作品の関連グッズをフリマサイトで探していた際、偶然、映画チケットの出品を見つけて気になり、詳細を確認したそうです。すると、上映日時や映画館、そして私の座席番号が完全に一致していたとのことでした。
私が公式サイトのチケット購入画面を見せながら、「この席は正規に購入しています」と伝えると、女性も驚いた様子で、「では、この出品は何ですかね?」と首をかしげていました。
出品されていたのは紙のチケットではなく、発券に必要な番号を譲る形式だったそうです。掲載されていた画像も実際のチケットではなく独自に作成されたもので、価格は定価より数百円高く設定されていました。私が座っている席が勝手に出品されていると知り、私は一気に不安になりました。
スタッフも困惑する前代未聞のトラブル
もし誰かがそのチケット情報を購入していた場合、上映前や上映中に座席を巡るトラブルへ発展してしまうかもしれません。私は女性と一緒にスタッフさんへ相談することにしました。上映直前でしたが、一度ロビーへ出て事情を説明すると、対応してくれたスタッフさんは話を聞くなり険しい表情になり、「それは非常に珍しいケースですね」と言いました。
女性がスマートフォンの画面を見せると、スタッフも「確かに座席番号まで一致しています」と困惑した様子で、別の担当者を呼んで出品情報の確認を始めました。待っている間も、「もし購入者が現れたらどうなるのだろう」「上映中にトラブルにならないだろうか」と、私は落ち着きませんでした。
しばらくしてスタッフから、「お客様の座席に間違いはありません。こちらで状況を確認しますので、そのままご鑑賞ください」と案内され、指示に従って再び館内へ戻りました。
幸い、上映中に座席を巡るトラブルは発生しませんでしたが、シアター後方の扉が開くたびに気になってしまい、映画にまったく集中できなかったことを覚えています。最終的にその出品が削除されたのか、出品者にどのような対応がおこなわれたのかまではわかりませんでした。
「指定席だから安心」と思い込んでいた私にとって、本当に衝撃的な出来事でした。見えないところで起きているトラブルは防ぎようがないからこそ、怖さを感じます。今回は何事もなく無事に済みましたが、身近なところに思わぬトラブルが潜んでいるのだと改めて実感しています。
※フリマやオークションなどのネットサービスでは、チケットの出品が禁じられている場合があります。利用する際は、各プラットフォームの利用規約やガイドラインを必ず確認し、ルールを守って安全に利用しましょう。
著者:笹倉まゆ/30代女性。2017年生まれの長女と2019年生まれの次女、夫の4人暮らし。介護福祉士としてデイサービスに5年勤務後、出産を機に在宅ワークへ転向。現在は育児の合間にライティングやネットショップ運営に挑戦中。趣味はカフェ巡りとネットショッピング。
イラスト:おはな
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年6月)

