
メンズエステとは、マッサージを中心とした施術で心身の癒やしを提供する男性向けのお店のこと。「メンエス嬢加恋・職業は恋愛です」は、そんなメンズエステを舞台にした創作漫画である。美しくもミステリアスな主人公の加恋が、店にやって来る“訳アリ”な客の心を解きほぐす様子を、作者の蒼乃シュウさん(@pinokodoaonoshu)が丁寧に描いている。



■パワハラ男が抱える「期待外れ」のトラウマ
今回は「満足できない男」の後編。常にイライラを抱えるパワハラ気質の男を接客することになった加恋。彼女のあたたかくやわらかな手に背中をほぐされるうち、男の目には次第に涙が浮かび、幼いときに父から「期待外れ」と言われた記憶がよみがえる。
最初の客にパワハラ気質の男を選んだ理由について、蒼乃さんは「客として登場する男たちは、いつも必ず何かの問題を抱えています。一番わかりやすい問題はモラハラやパワハラをしてしまう人かな?と思い、最初の客にしてみました」と語る。誰しも無意識に他人へきつく当たってしまう経験はあるものだ。「他人にそんなことをしてしまう理由って実は自分の中にあって、気づかないトラウマを抱えていてまだ癒やされていないことが原因になっていることもあるのではないかなと。『パワハラやモラハラは悪い!』と一方的に攻撃するよりも、なぜ他人にパワハラやモラハラをしてしまうのだろうと掘り下げた方が、解決につながると思っています」と、登場人物の深層心理に迫る思いを明かした。
■リピートさせないメンエス嬢の真意
第1話は、加恋の自己紹介も兼ねたエピソードとなっている。蒼乃さんは「加恋はメンエス嬢だけど、決して客を依存させません。つまり、リピートさせないメンエス嬢なんです。実際にそれではやっていけませんが、そこは漫画ですので(笑)」と、本作の特異なテーマを説明する。
加恋からの「あなたはちゃんと頑張っています」という言葉で、本当は自分が人にそう言いたかったのだと気づいた男。「また指名してもいいかな」と聞く彼に、加恋は「あなたはもう大丈夫ですよ」とほほ笑む。心が救われた彼は、きっともうこの店を訪れることはないだろう。今後はどんな問題を抱えた客がやって来るのか、次なる展開が楽しみだ。
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