はるかさんは、夫と息子の優斗くんとの3人家族。夫とともに義実家の家業であるケーキとパンのお店『かぐら』の2号店を経営し、充実した日々を送っていました。
やさしい義父と少しクセのある義母との同居生活は穏やかでしたが、ある日、赤ちゃんを連れた義姉が突然帰ってきたことで一変します。
はるかさんを執拗に嫌い、嫌がらせを繰り返す義姉――。実は彼女が高校生のころ、義父とはるかさんの母の不倫現場を目撃していたことがすべての原因だったのです。そして、お店の経営に義姉が口を出し始め……。
突然、お店の業務改善を担当すると言い出した義姉。これまでのお店の味とはまったく異なる、派手でおいしいとは言えないパンの販売を強引に進めますが、義父は抵抗しようとしません。
義父はその理由について、かつて自分が不倫をして義姉を傷つけたことへの罪滅ぼしだと口にします。そんな父親の言葉を聞いて踏ん切りがついた夫は、「俺たちは、この店と家から出ていく」と義父に告げました。
その後、自宅へ戻ったはるかさん夫婦は、新しいお店にかけるそれぞれの思いを伝え合うのでした。
バラバラになった家族を前に、夫婦が選んだ道
































はるかさんの母が考案したパンは、義姉にとってつらい記憶と結びついたものでした。はるかさんは、そんなパンをこのまま販売し続けることはできないと考え、新しいお店では扱わないことを決めます。
「2人で、かぐらの味を受け継ぐ新しい店をつくろう」
そう決意した2人は、前途多難な独立への道を一歩ずつ歩み始めたのでした。
昔から受け継がれてきた味でも、それが誰かにとってつらい思い出につながっているのなら、無理に残し続ける必要はないのかもしれません。
大切なのは、過去にとらわれるのではなく、関わる人たちの思いに向き合いながら、これから何を守っていきたいのかを考えること。仕事でも家族関係でも、ときにはこれまでの形を見直し、新たな一歩を踏み出す決断が必要なのかもしれませんね。
著者:マンガ家・イラストレーター あおば
