義妹のプライドを傷つけてしまった私
和也は深く息を吐きました。
「さおり的には『育児の合間に一発合格』って部分が、さおりは育児もしてないのに1回落ちてるのをバカにしてるっていうんだよ」
「そんな…」
言葉が出ませんでした。
「匿名の誹謗中傷するなんて卑怯だろって言ったら、一方的に電話切られたよ」
さおりちゃんがそんな風に受け取っていたなんて。
私は一瞬、投稿を削除しようかと思いました。「いやな思いさせてごめんなさい」と謝って投稿を消してしまえば、こんなに面倒ないざこざをすぐに終わらせられるかもしれません。
「どうする?あんなコメントついた投稿さ…」
和也は暗に、投稿を削除するか聞いてきたんだと思います。でも私は少し考えて思い直して
「消さない」
と答えました。和也は普段平和主義な私の発言に驚いたような表情を見せました。
「私の努力の結果なのは事実なんだから消さない。今回は謝罪も、へりくだった態度も取りたくないよ」
静かな夜に、私の心は強くあろうとしていました。頑張った自分を否定したくなかったのです。
あとがき:「卑怯」な攻撃と決然たる反撃
SNSでの匿名攻撃は、現実では誰もが直面しうる恐怖です。
しかし、みつきは努力の成果を理不尽な嫉妬で消すわけにはいかない、という決意をしました。非常に共感できる「自己肯定感の表明」です。みつきの静かな強さが、さおりの行動にどう影響するのか、注目したくなるエピソードでした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

