2026年6月現在も、各種物価の上昇や鉄道各社の運賃改定が社会的な関心を集めるなか、今回は作中から「電車賃に関するクレーム」のエピソードをピックアップ。現場の駅員が直面する不条理な押し問答や、知られざる運賃決定の裏側について、作者のザバックさんへのインタビューを交えてお届けする。
■バスへの怒りを駅員にぶつける客も。「俺に言われても……」と謝るペン助の本音



駅で勤務する主人公のペン助は、日々乗客からの容赦ない言葉にさらされている。ある日は「切符の値段が高すぎる。乗るのをやめようかな」と運賃への不満をぶつけられた。いつものように「申し訳ございません」と頭を下げて謝るペン助だったが、心の中では『気持ちはわかるが俺に言われてもなあ。本社に言ってくれよ』と虚しさを抱えていた。
実際の駅員時代、ザバックさん自身も想像を超える驚きのクレームを経験したという。
「駅前を走るバスに対するクレームを受けたことがあります。かなりご立腹の人でしたが、そのイライラを駅員にぶつけてきて、最終的に鉄道会社へのクレームに繋がったことがありました」
他社の運行トラブルや管轄外の事柄であっても、駅にいるというだけで「鉄道の顔」として矢面に立たされる。そんな現場の理不尽な状況が、作品を通していきいきと描き出されている。
■「むしろ電車賃は安すぎる」 元駅員だからこそ語れる、安全と定時運行へのリスペクト
昨今の運賃値上げの動きに対して、ザバックさんは現場を知る人間だからこその独自の視点を語ってくれた。
「むしろ電車賃って安すぎませんか。数百円払えば、なかなかの距離の移動ができる。しかもほぼ時間通りにね。電車賃ってたしか企業が好き勝手に上げることができないって聞いたことがあります。国の許可がいるらしいですよ」
電車の運賃は鉄道会社が単独で自由に設定できるものではなく、公共交通機関として国の認可や手続きが必要となる。そんな仕組みを知る由もない乗客から、現場の最前線で働く駅員へと不満がぶつけられるジレンマ。ザバックさんの漫画は、私たちが普段当たり前のように利用している鉄道インフラのありがたみと、それを支える人々の忍耐強さを改めて教えてくれる。
一見すると華やかに見える鉄道業界の裏で、日々すり減りながらも奮闘する駅員たちの物語。ブログやSNSでは、このほかにも思わず頷く「駅員あるある」が多数公開されている。鉄道を利用するすべての人に、ぜひ一度読んでほしい。
取材協力:ザバック(@theback_blog)
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