猫が『環境の変化』を苦手とする理由3つ 習性などの原因や飼い主ができる工夫まで

猫が『環境の変化』を苦手とする理由3つ 習性などの原因や飼い主ができる工夫まで

1.縄張り意識が強いから

野外をパトロールするキジトラ猫

猫は本来、単独の狩りをライフスタイルとしています。獲物をコンスタントに手に入れるには、広範囲を動き回って無駄な体力を使うより、テリトリーを決めて活動したほうが効率的です。その点は、食料を求め、長距離移動するオオカミや草食動物と違います。

外で暮らす雌猫の場合、縄張り範囲は半径約50m、雄猫では、繁殖相手を探すために範囲が広がり、約200~500m程度と言われています。

猫にとって、自分の縄張りは、「食料」、「安全性」、「繁殖」、3つの柱からなる生活上のベース基地です。他の猫に奪われたら、たちまち命に関わってきます。みなさんの愛猫の日々のパトロールも、実は、本能的に安全と安心を確認するための行動です。

以上の観点から考慮すると、引越しなどによる環境の変化は、従来の縄張り(おうち)を失ったのと同然です。結果として、猫はストレスを抱え、どうしていいかわからず、パニック状態に陥ってしまいます。

2.物事を匂いで判断するから

匂いを嗅ぐ茶トラ猫

前項とも関連しますが、猫は多くの物事を匂いによって判断します。その鋭い嗅覚は、ざっと人間の約数万から数十万倍ほど。愛猫が帰宅後の飼い主さんの匂いを嗅ぎたがるのは、微妙な変化に気づいているからです。

また、おうちのあちこちをスリスリして回るのも、自分の匂いをつけること(マーキング)で、安心感に満ちた環境を維持しようとする行動です。

猫は、匂いを通じて、我がテリトリーを認識し、ちょっとした匂いの変化でさえ、「異変」とみなす習性があります。

一例を挙げると、引越しだけでなく、新しい家具をおうちに導入したとき、あるいは、見知らぬ来訪客があったとき、猫は普段感じない匂いに危機感をおぼえ、警戒態勢に入ってしまいます。

猫からすれば、そんな状況は、馴れ親しんだ縄張りを荒らされるようなものです。

猫が環境の変化に左右されるのは、人間には感知できない、匂いの世界に生きているから、とも言えるかもしれません。

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