3.毎日のルーティンを好むから
愛猫の一日は、ルーティンの連続です。
恒例の飼い主さんへの早朝ドッキリをはじめ、食後の毛づくろい、パトロール、お昼寝、おもちゃ遊びなど、毎日、ほぼ同じスケジュールで暮らしています。それこそ「判で押したような」と形容したくなるほどです。
猫がマイ・ルーティンを好み、変化を嫌いがちなのは、身体の大きさに比べると、前頭葉の比重が小さいことに関係していると言われています。前頭葉は、思考や計画性を司り、起こった変化に柔軟に対応するためにも大切な部位です。
引越し後、多くの愛猫が「借りてきた猫」状態になるのは、猫の前頭葉の特性ゆえに、変化に対応しきれず、新しい場所になかなかなじめないからです。おうちが変わってしまうと、いつものルーティンもできません。
そういった傾向を踏まえたうえで、今後、引越しするときは、愛用の猫ベッドやトイレなどは捨てずに、転居先に持っていってみてください。なじみの匂いがあると、それだけでも引越し後の不安のいくらかは解消できます。
まとめ
昔から、猫が人よりも「家につく」と言われるのは、暮らす環境に強く影響を受けるからです。
今回は、猫の「環境の変化が苦手な」の理由として、「縄張り意識の強さ」、「匂いで世界を認識する」、「ルーティンを好む」、3つを取り上げました。
猫が引越し後、新居でストレスを抱えやすいのは、上記の習性に基づいた結果です。
本文でも解説しましたが、これから引越しの予定があるみなさんは、今まで使っていた猫ベッドやトイレを新調せずに、新しいおうちでも活用してみてください。愛猫も馴れ親しんだ匂いに包まれて、少しは安心できるはずです。

