メラノーマの初期症状とは?メディカルドック監修医が解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。
※この記事はメディカルドックにて『「メラノーマ」を発症すると「爪の形や色」はどのように変化する?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
藤井 弘子(医師)
関西医科大学医学部卒業。京都大学大学院医学研究科博士課程卒業(医学博士)。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。京都大学医学部附属病院皮膚科助教を経て、関連病院診療科長を経験。
「メラノーマ」とは?
メラノーマとは、メラノサイトという皮膚にあるメラニン色素を作る細胞ががん化した腫瘍です。皮膚がんの一つです。悪性黒色腫とも呼ばれています。
メラノーマは、起こる部位や形などによって、以下の4つのタイプに分類されています。
・末端黒子型
手のひらや足の裏、手足の爪の下などにでき、日本人のメラノーマでは最も多く、約40%を占めます。
・表在拡大型
胸や腹、背中など、時々日焼けをする部分にできやすいメラノーマです。白色人種や日本人でも肌の色が白い人に多いタイプです。
・結節型
発生しやすい部位はなく、結節状になったがん細胞の塊が徐々に増大するタイプです。
・悪性黒子型
高齢者の顔面に多いタイプです。持続的に日焼けをしやすい部分である顔面に多く発生します。
この他にも、粘膜メラノーマや眼球の中の壁に発生するメラノーマもあります。
メラノーマの前兆となる初期症状
メラノーマを疑う症状としては、以下のようなものがあります。こういった症状がみられたら、皮膚科を受診するようにしましょう。
爪の色が黒や茶色に変化
爪に黒や茶色の縦線が現れるのが特徴的ですが、初期段階では線が細く、薄い色で目立たないこともあります。時間とともに色が濃くなり、線が太くなってくる場合は要注意です。また、爪の根元(キューティクル部分)に向かって色が広がるように変化していくケースもあります。こうした色の変化が見られる場合は、爪のメラノーマを疑い、早めに皮膚科で診察を受けることが大切です。
爪の成長が遅くなる、もしくは変形する
健康な爪は一定の速度で伸び続けますが、メラノーマが発生すると爪の成長が止まったように見えたり、不均一な成長を示したりすることがあります。爪が一部だけ厚くなったり、薄くなったりする場合や、成長が途中で止まったように見える場合も注意が必要です。爪の形そのものが歪んでくるケースもあるため、通常と異なる成長パターンに気づいたら早めに診察を受けましょう。
爪の下に出血が見られる
爪の下に出血が生じることがあります。小さな出血が点状に現れることもありますが、時間が経っても消えず、むしろ広がるようであれば要注意です。通常の打撲や外傷による爪下血腫(爪の下の内出血)は時間とともに消えていきますが、メラノーマの場合は出血が持続し、爪の色が変化し続けることがあります。また、出血とともに爪が剥がれやすくなるケースもあります。

