野外音楽フェス「TOKYO ISLAND」で騒音被害か、東京都に苦情135件「ずっと重低音が響く」「体調悪くなった」

野外音楽フェス「TOKYO ISLAND」で騒音被害か、東京都に苦情135件「ずっと重低音が響く」「体調悪くなった」

東京都江東区の「海の森公園」で10月11日から13日まで開かれた音楽イベント「TOKYO ISLAND 2025」をめぐり、SNS上で「ずっと重低音が響いている」「音がうるさくて体調を崩した」など、騒音被害をうったえる声が相次いだ。

「海の森公園」を管理する東京都海上公園課によると、現地の管理事務所や都に10月14日15時までに寄せられた意見や苦情は135件にのぼった。騒音は江東区だけでなく、近隣の港区や江戸川区、さらには千葉県など広範囲に届いていたという。

イベントには「ORANGE RANGE」や「氣志團」など、人気のバンドやアーティストが多数参加していた。

●「ミセスの前例あったのに…」

X上の投稿などによると、イベント期間中の3日間、朝から夜まで重低音が響いていたとされる。長時間の騒音に悩まされ、「不眠になった」「体調が悪くなった」とうったえる人もいた。

主催は、「ぴあ」など音楽関連4社だが、公式サイトに電話番号などの問い合わせ窓口が見つからず、会場を管理する東京都や近隣の警察に苦情や通報を寄せたという人も少なくなかったという。

野外音楽イベントの騒音は以前から、たびたび問題となっている。今年7月には横浜市・山下ふ頭でおこなわれた「Mrs. GREEN APPLE」のライブでも、広範囲に音が漏れていたとしてSNSで苦情が続出した。今回も「前例があるのだから、配慮がほしかった」との声が上がっている。

●複合的な原因で騒音が拡散か

海上公園課は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「このイベントは2022年から毎年開催されているが、これまで騒音に関するトラブルは少なかった」「主催者にも音量については近隣住民に迷惑がかからないよう、注意喚起していた」と説明した。

しかし、今回は騒音が広範囲に及んだことから、「当日の風向きや、日曜日に近隣で別の音楽イベントが開催されていたこともあり、複合的な原因があって音が広がってしまったのではないかと考えている」と分析する。

また、「夜中まで騒音が聞こえていた」という一部の苦情については、イベント自体は21時15分にすべて終了しているとして、「自動車にスピーカーを積んで大音量で音楽を流す『騒音族』と混同されたかもしれない」と説明した。

海上公園課は「イベントの音が住民の方々に届き、ご迷惑をかけてしまったということはあるので、住宅地に音が広がらないよう、主催者とともに音響などを検証して今後の対策を進めていきたい」と話している。

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