
右耳難聴や子宮内膜症など自身の体験をコミカルな漫画で発信しているキクチ(@kkc_ayn)さん。「父が全裸で倒れてた。」は、病に倒れた父親との日々を、一人娘ならではの葛藤や笑いを交えながら描くコミックエッセイだ。今回は、父親が新型コロナウイルスに感染し面会できなくなった期間に起きた出来事を紹介するとともに、そのときの心境について話を聞いた。
■思いがけず訪れた休息



父親の入院中、隣室で新型コロナウイルスの感染が発生し、父親も感染。抗がん剤治療は一時中断となり、面会も禁止になってしまう。一方で、連日の看病に追われていたキクチさんにとっては、初めて心身を休められる時間にもなったという。「医療従事者の方には申し訳ない」と前置きしながらも、「やっと心身ともに休める」と感じたそうだ。
前回、自身がインフルエンザにかかった際は「お父さん大丈夫かな」と気持ちが休まることはなかったが、今回は病院に任せられた安心感があったという。それでも荷物には毎回手紙を添え、父親を思う気持ちは変わらなかった。
■父のパソコンで見つけた"終活"
その頃、母親の三回忌や墓地の年間管理費について調べるため、父親のパソコンを確認することに。父親が管理費の支払い記録を細かく残していたおかげで手続きは無事に完了。しかし、その作業中に「自分が死んだ時に見てほしい」と書かれた、遺言書のようなファイルを偶然見つける。
キクチさんは、父親が以前から終活を意識していたのかもしれないと感じた一方、「内容としては不十分だし、対応するにも困るものだなと思いました(笑)」と振り返る。預金以外の資産についても記載してほしかったと苦笑しつつ、海への散骨を希望する父親については「お墓と海で2カ所に行かなきゃいけなくなるので、遺骨の場所は家族で統一しておきたいですね(笑)」と、ーモアを交えて語った。
■少しずつ向き合う"親のこれから"
父親の入院で延期した母親の三回忌も、父親と一緒に営みたいという思いから延期を決断したという。また、お墓の管理費や遺言書の存在を通して、親が残してきたものやこれから向き合うべきことを改めて実感したキクチさん。重いテーマでありながらも、随所にクスッと笑える場面を交えて描かれる本作は、介護や親の老いに直面する人の心にも寄り添ってくれる作品となっている。
■取材協力:キクチ(@kkc_ayn)
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