緋沙未の夫・トモルは誰もが認めるほどの美男子。実母から「あんなきれいな顔、絶対に浮気する」と懸念されていたことが現実となり、夫の不倫が発覚します。緋沙未はトモルに内緒で不倫相手に慰謝料を請求しますが、渡されたのは事前に調べていた不倫の慰謝料の平均額、150万円よりも大幅に少ない30万円。
緋沙未は「残りの120万、用意してください」と伝えますが、不倫相手の依都は「私が払えるギリギリのお金が30万円だけなんです!」——。さらに依都から慰謝料について聞かされたトモルは、不倫相手と別れる代わりに「慰謝料を彼女に返してくれ。120万の請求もナシだ」と言い放ったのです。
緋沙未が夫の要求を突っぱねると、トモルは理不尽にも「別居しよう」。
「私とルイを捨てて、あの子と暮らすのね!」と涙を流す緋沙未に対し、トモルは「違う! 俺は実家に行くんだ」と家を出ていったのですが……?
説明していないのに、息子は夫が出ていったことを知っていて…?















トモルは義母の猫なで声にもなびかず、「今夜も遅くなるから夕飯はいいよ」——。
実家に帰ってきたにもかかわらず、夜な夜な出かけていく息子を不審に思った義母は、「また新しい女ができた?」と疑念を抱いたのでした。
義母の疑念から察するに、トモルの不倫はこれが初めてではなかったのでしょう。そのことに気づきながら、義母は実家に連泊するトモルに猫なで声。さらには孫に「パパはおばあちゃんちで暮らすから、ルイくんもおいで」とメッセージ。ルイくんまで義実家に行ってしまったら、緋沙未はひとりきりになってしまいます。
これは過保護を超えた、あまりに配慮を欠いた行動ではないでしょうか。母親にとって、わが子が何歳になっても愛しい存在であるのは自然なこと。しかし、間違ったおこないをしたときには厳しく指摘し、諭すことが親の役割のはずです。度を超した過保護を続けていれば、いつか息子が痛い目を見ることになります。
そして、息子と結婚した以上、嫁も大切な家族の一員。家族である息子夫婦の不和を感じ取ったなら、どちらか一方の肩を持つのではなく、フラットな目線で問題に向き合う——。そんな姿勢が結果的に家族の崩壊を防ぎ、引いては愛する息子を守ることにもつながるのではないでしょうか。
著者:マンガ家・イラストレーター 紙屋束実

